被害は住民の命を救う地域の医療現場にも及んでいました。
7月6日、豪雨の中で撮られた1枚の写真。
自動ドアの向こうには車のタイヤが浸かる程の高さの水が押し寄せています。
布団を積み上げ必死に浸水を防いでいるこの場所は、地域の医療を担う「病院」でした。
▼平井裕院長
「どこまで冠水して来るのか、ものすごく不安だった」
大牟田市にある平井外科・産婦人科。
内視鏡手術やがん検診なども含め、幅広い診療を行い、地域医療の一端を担ってきました。
この場所に開業して60年余り。
これまで一度も今回のような浸水被害は無かったといいます。
▼平井裕院長
「まさかこの地区に、こんなことがあるとは思ってもいなかったし、まさか自分に降りかかるとも思っていなかった…」
7月6日の豪雨。
大牟田市内では浸水した住宅で高齢の男女2人が亡くなったほか、住宅の浸水被害は3000件近くに上りました。
平井外科産婦人科でも夕方5時頃には、前の道路が冠水、その後、床上50センチまで水に浸かりました。
この時、病院内には外来患者がまだ10人ほどいたといいます。
▼平井裕院長
「冠水した道路を車が走ると、波がどんどん入って来た。30分もしたら(水かさが)倍ぐらいになっていて、あっという間だった」
患者とスタッフはすぐに2階に避難。
人的被害はありませんでしたが、1階にあったCTスキャナやマンモグラフィなど大型の医療機器は、運び上げることができず、全て水に浸かり、使い物にならなくなりました。
被害は、医療機器だけで少なくとも1億円に上るといいます。
また約5000人分のカルテも水没。
スタッフ総出で、アイロンやドライヤーを使って乾かす作業が続けられました。
さらに、浸水被害はこんなところにも及んでいました。
▼野田浩子事務長
「物品で支給されたもの。コロナ対策で」
新型コロナ対策で医師会などから支給された医療物資が水没。
特に医療用マスクは、30日分にあたる約1500枚全てが水に浸かり、廃棄せざるを得ませんでした。
▼野田浩子事務長
「不安でしょうがない。マスクがすぐにでも手に入らないと、再開するとしても今度はコロナが心配になってくる」
先の見えない不安に、一時は病院を閉めることも考えた平井院長。
それでも…
▼平井裕院長
「患者も来てくれるんですよ、(片付けの)途中でも。どんなになっていますか、まだですかと。ここで患者を放ったらかす訳にはいかないなと」
▼平井裕院長
「おはようございます…並んでくれているね…」
「おはようございます、ご迷惑をおかけしました」
被害から10日経った、16日。
待合室にも、まだまだ被害の爪痕が色濃く残る中、病院は診療を再開しました。
▼患者
「避難するときにどこかで引っかけた」
この男性は豪雨当日、自宅から避難する際に指を切ったと話します。
「傷いっとるなと思って絆創膏貼っていた。先生に診てもらう方が安心する」
次に来た患者も他の病院にはかからず、この病院が再開するのを待っていました。
患者「ここが心配でもう」
院長「負けませんから」
患者「ここでやめなはるなら、どうしようかと思った」
院長「涙が出る…」
▼平井裕院長
「患者さんがね…(涙)待っていたよと言われて、ちょっと年をとって涙もろくなっちゃって…。まだ、なえちゃいけない、頑張る」
開院以来、初めてという今回の浸水被害。
再び充実した医療を提供できるよう、病院は少しずつ歩みを進めています。
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July 20, 2020 at 06:15PM
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「患者を見放すわけにはいかない」 豪雨から2週間 地域医療にも影響 福岡県大牟田市|ニュース・天気|TNC テレビ西日本 - tnc.co.jp
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