ラグビーのリーグワンは17日、各地で発足2季目が開幕する。

1部は2連覇を狙う埼玉(旧パナソニック)が、同日に本拠の埼玉・熊谷ラグビー場で昨季4位のBL東京(旧東芝)を迎え撃つ。16日には記者会見が行われ、ロビー・ディーンズ監督(63)は左膝前十字靱帯(じんたい)断裂から復帰戦となる、19年W杯日本代表SO松田力也(28)をキーマンに挙げた。リーグは23年4月23日の第16節まで続き、上位4チームがプレーオフに進出。決勝は同5月20日に行われる。

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互いを知る世界的指導者が、開幕前日に画面越しで顔を合わせた。ニュージーランド南島の出身で、ルーツも重なる2人。ディーンズ監督はBL東京のブラックアダー・ヘッドコーチ(HC)に向け「明日もタフな試合になる。開幕戦は未知の物」とほほえんだ。そして司令塔の名を挙げた。

「松田力也はケガからの復帰。来年のW杯(フランス大会)に向けて、本人にとっても大事な1年になる。彼の復帰した姿にも、ご注目ください」

前日15日に発表した登録メンバーには、先発SOに松田を起用した。左膝の故障で今季の日本代表活動には加われず、その間に21歳のSO李承信(神戸)らが台頭。一方、今秋の代表活動総括の場でも、強化を担当する藤井雄一郎ディレクターが「松田だったり、経験値のある選手は見たい」と具体名を挙げるほど期待は高い。松田の隣にはディーンズ監督も注目の南アフリカ代表CTBデアレンデが並び、復帰の司令塔が豪華BK陣をけん引した先には開幕ダッシュが近づく。

昨季は新型コロナウイルスの影響で開幕から2試合は不戦敗。そこからプレーオフを含めて16連勝で頂点に立った。同監督は「優勝するチャンスは全チーム平等。楽しみにしている」と言い切った。慢心せずに2連覇を目指す。【松本航】

○…BL東京ブラックアダーHCは日本代表選手の状態に自信を示した。秋の欧州遠征でも活躍したロックで20歳のディアンズ、NO8リーチ、CTB中尾を先発起用。同HCは「休息も十分に取れ、プレーできる準備が整っている。判断はそこまで難しくなかった」と言及した。昨季の埼玉戦は今年2月に同じ熊谷で組まれ、18-30で敗戦。リベンジに向けて「ちゅうちょせず、基本的な部分をこなして戦いたい」と誓った。