昼下がりのニセコスキー場リフト乗り場。空いているのに、女性スキーヤーがリフトの横に滑り込んできた。
定型のあいさつの後、「私のお父さんはイギリス人なんです」。突然、自己紹介が始まった。
母親は九州生まれ、出会いはニュージーランド、ここ北海道で居を構え、彼女が誕生したそうだ。
なぜ隣に座ったのか…の疑問を忘れ、ドラマのような話に聞き入った。
スキー指導員資格の合否発表が今日あること。9月からは、イギリスの祖父母宅で大学生活が始まること。次々と楽しそうに話してくれる。
「先のことは白紙です」と言いつつ声は弾んでいた。
彼女にとっての白紙は、無限の可能性の代名詞だ。ご両親のように、たくましく人生を歩いていくに違いない。
年を聞かれ「おじいちゃんと同じくらいの67です」と答えると、「お元気ですね」と彼女にすれば当たり前、私にとっては多少複雑な言葉が返ってきた。
気が付けば終点が迫っている。
「40年若ければ、お茶に誘ったのに残念だな」。私の言葉に「ウフフ」と、かわいい笑いで答えた。
「それじゃあ」「気を付けて」
後ろ姿を追わずに前に目をやれば、快晴の空を刺す真っ白なニセコアンヌプリがそびえていた。
仲野 道夫 67 千葉市若葉区
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February 21, 2020 at 03:00AM
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【朝晴れエッセー】ロマンスリフト・2月21日 - 産経ニュース
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