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やっと会えた砂漠の天使「スナネコ」 - 読売新聞

少し前に、神戸まで行ってきました。その目的は、日本初上陸のネコ科の動物「スナネコ」。神戸どうぶつ王国で公開されたんです。スナネコは英語でSand cat、漢字で砂猫。その名の通り、サハラ砂漠などの砂漠地帯周辺に生息している野生種の猫です。「砂漠の天使」ともいわれるほど愛らしいネコ科の動物として、私も含め一部の「けもの好き」に知られていましたが、国内では誰もその姿を見ることができませんでした。それがついに、実物に会えるのです。一般公開前に、見学させてもらいました。

野生では砂と岩だらけのアジアやアフリカの砂漠地帯で暮らしていますが、神戸どうぶつ王国でもそんな環境におりました。ひょっこり木の下から顔を出し、初対面です。

見た目はやはり猫、大きさもほぼ猫サイズ。野生のネコ科の動物としては世界最小のうちの一種類です。黄色ベースに薄いトラ柄が入り、砂漠での保護色になる色合いのようです。

海外の動物園から来日したのは、オスとメス2匹のカップルです。といっても、2匹ともまだ1才程の若い個体です。この時はまだ名前はなかったのですが、公開に合わせて決まりました。

アラビア語で未来とか将来という意味の「ムスタクバリー」からとって、『ムスタ』『バリー』と名付けられました。

こちらはオスの「ムスタ」。横長の顔と三角形の耳が特徴で、肉まんにちょこんと耳が生えている感じでしょうか。ムスタは少しビビリな性格。カメラを警戒しているようでした。

メスの「バリー」。前足の太い横線もスナネコの特徴です。この子はオスよりも堂々としています。カメラに対してもシャーッと威嚇してきました。飼育員さんによると、鳴き声は猫と同じ「ニャア」ですが、たまに低めの声で鳴くこともあるそうです。

おや、砂を掘りだしました。トイレタイムのようですが、仕草もやっぱり猫と同じ。済んだら丁寧に砂をかけています。野生ではきっと雄大なサハラ砂漠で用をたしているんでしょうね。

毛繕いを丁寧にしているところも猫と同じです。だんだん猫に思えてきましたが、持ち上げた前足の裏に、なにか黒っぽいものが見えます。

見ると、大量の黒い毛が生えています。調べたところ、足指間の長い毛が肉球を覆い、灼熱しゃくねつの砂の上を歩けるようにし、さらに足跡を残しにくくするそうです。ここは猫とは違いますね。

かわいい見た目のスナネコですが、本来ネズミや小鳥を捕食していて、足跡を残さないことからしてきっと優秀なハンターなんでしょう。園でもエサにお肉をあげています。

他にも猫のかわいい仕草と同様に、アゴでスリスリとこすりつけるマーキングもするそうで、スナネコの観察をして、猫との違いを探すのも楽しいですね。

北アフリカのサハラ砂漠から、西南アジアのイランやパキスタンの乾燥地域にかけて生息していますが、地域によっては減少しているところもあるそうです。

まだ若い2匹ですが、いずれ繁殖してかわいい子どもを授かればと、楽しみが膨らみますね。そういえばお隣のスペースには、同じネコ科のサーバルのカップルがいます。

ちょっとのぞいてみたら、2匹でラブラブしまくっています。この2匹も子どもの頃から一緒に育ち、超がつく程の仲良し。スナネコも2匹仲良く成長してもらいたいものです。

スナネコのいるスペースに戻ったら、オスがメスにおこられていました。でもこれは、オスがもぞもぞ落ち着きなく動いていたからしかたがない。

夜は寄り添って寝ているそうなので、とりあえず2匹の仲は大丈夫。日が傾いて光が差し込むと2匹でまったりお昼寝タイムに入ったようです。

本来は夜行性で、家猫と同じように夜は1~2時間おきに起きて1~2時間活動しているそうです。ムスタは岩を枕代わりにしてうとうと。アゴをのせた仕草がかわいい。

バリーは天を仰ぐような勇ましい姿勢で寝入っています。気が強くても寝てしまえば無邪気なもの。これが砂漠の天使の寝顔です。

起こさないようにそっとその場を離れます。バックヤードから移ってきてまだ1週間ほど、完璧に慣れていない2匹には貴重な休憩時間なのです。

スナネコ公開と同時期に、那須どうぶつ王国で生まれた「マヌルネコ」も公開されました。名前が似ているスナドリネコ、サーバルキャット、クーガー(ピューマ)など他にもネコ科の動物たちの展示も充実しています。

写真提供/神戸どうぶつ王国
所在地:神戸市中央区港島南町7-1-9
通常営業時間:《3~11月》
【平 日】: 10:00~17:00 (入国締め切り 16:30)
【土日祝】: 10:00~17:30 (入国締め切り 17:00)
【休園日】: 木曜日
ホームページ:https://www.kobe-oukoku.com/

※お知らせ(営業時間について)
2020年3月20日から当面の間、営業時間は平日・土日祝共に
10:00~16:00(入国締め切り 15:30)となっています。

南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

Facebook:Sotoneko Japan Instagram:sotoneko_japan

SOTONEKO JAPAN(rakuten)

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1 Response to "やっと会えた砂漠の天使「スナネコ」 - 読売新聞"

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