カメラの可能性って∞。
先日のある日、キヤノンさんからCP+2020で展示するはずだったコンセプトカメラを見せてもらえると聞きまして。それはめちゃくちゃおもしろそう! ということで、行ってきましたよ。その模様をご覧ください。
なんと! 会議室を入るとキヤノンの方々がお揃いのTシャツを着てお出迎え! どうやらCP+2020の展示ブースをイメージして、我々を迎え入れてくれたようです。感謝感激ですね。ちなみに編集部の綱藤(あみとう)は、ギャラリーが多数いる前で動画収録をしたため、緊張のあまりありえないくらい口の中がパッサパサになっていたそうです。
今回5つのコンセプトカメラを紹介していただきました。そのなかには、以前「iNSPiC REC」の発表会で見た望遠専用デジカメ「Multi functional Telephoto Camera」もありました。いやー、これほんとに楽しいカメラなので、早く製品化していただきたい! 5つすべての紹介は動画に任せるとして、ここでは特に気になった2つのカメラをピックアップしましたよ。
超広角・超マクロ・超望遠が楽しめる「Three-Style Camera」
今回展示されていた中でも、ものすごくググッときたのがこちら。「Three-Style Camera(スリースタイルカメラ)」です。コンセプトは、「スマホで撮れない領域を1台で」と「置き撮り」です。
「スマホで撮れない領域」というのは、超広角、超マクロ、超望遠のこと。この3つのモードに特化したカメラです。
ちょっと大きな修正テープみたいな形状をしていますが、れっきとしたカメラ。こちら、カパッと開くとレンズが出てきます。このレンズ、マグネットで取り外しが可能です。このマグネットの感じが気持ちよくて、ずっと着けたり外したりしちゃいそう。
レンズ部分が一番長いときが超広角です。自分だけではなく友だちや家族など複数人での自撮りに効果的。また、背景に建物を入れて自撮りすることを想定しているそう。ここで「置き撮り」というコンセプトが活きてきます。
レンズを出した状態で地面に置いて超広角で撮影すると、自分たちと背景の両方を入れて撮影することができるようになります。よくテーマパークの入口などで、スマホを地面に置いて自撮りしている人たちを見かけますが、それをもっとスマートにできるカメラなのです。
レンズをひとつ外した状態が超マクロ。まだプロトタイプですが、デモをしていただいたところ、かなり寄れます。マクロ倍率はまだ決定ではなく、どのくらいの倍率が適切か検討しているとのこと。
そしてもうひとつレンズを外すと、超望遠モードに。現時点では100-400mmの望遠になっていますが、これも検討中です。
超マクロおよび超望遠モードの場合は、手持ち撮影ができるようにグリップスタイルに早変わり。また、本体にスマホを差し込むことでファインダーの代わりにすることができます。なお、本体には液晶などは搭載されていませんでした。その分スリムで小型化されてます。
キヤノンの方のお話では、「できるだけ機能をそぎ落として胸ポケットに入る大きさを狙っている」とのことでした。
これ1台とスマホがあれば、あらゆる撮影ができちゃいますね。僕らのように新製品発表会などで、遠くのステージを撮影したり、会場でガジェットを物撮りしたりといった機会が多いと、こういうカメラが非常に活躍しそうです。
ポートレートが楽しめるボトル型カメラ
もうひとつ気になったのが「Bottle Style Camera(ボトルスタイルカメラ)」です。見てのとおり、小さな水筒のような形状をしています。
コンセプトは「大型センサーの高画質をコンパクトに」というもの。大型のCMOSセンサーと明るい単焦点レンズを搭載し、手軽にポートレート撮影ができるようにしたいとのことです。
小さいお子さんがいるお母さんは、大型センサーの高画質なカメラを持っていても、家でしか撮影しないそう。お出かけの際には荷物になるので持ち歩かないのだとか。
そこで、トートバッグなどに入れやすく取り出しやすいこの形状に行き着いたとのこと。500mlペットボトルと同じくらいのサイズなので、リュックのサイドポケットにも入れやすいですし、出先でちょっと撮影したいときにサッと取り出して撮影できますね。
本体には小さな液晶がありました。液晶は少し斜めになっているので、ローアングルやハイアングルも撮りやすそうです。ご飯など撮影するときのテーブルフォトにもよさそう。
まだ詳細なスペックは決まっていないそうですが、このサイズ感ならフルサイズ換算で50mm F1.8くらいの単焦点レンズを搭載できそう。ボケ感のあるきれいなポートレートが撮れそうですね。
ライフスタイルに合わせてカメラが形を変える時代がやってくる!
このほかにも、子どもと親御さんがコミュニケーションをしながら撮影を楽しめるカメラや、ポンと置いておけば自動で人物を認識して追尾し、静止画や動画を自動で撮影してくれるカメラ、そして望遠に特化した単眼鏡タイプのカメラなど、従来のカメラの枠を飛び越えた、独創的なカメラばかりでした。
これまで、僕らはデジタル一眼レフのように「いかにもカメラですけどなにか?」というような、ゴツゴツとしたメカメカしいカメラを、どうやって生活のシーンに取り入れていくかばかりを考えていました。カメラのストラップをポップなものにしたり、手軽に使えるカメラバッグをいくつも買ってみたり、そういう試行錯誤をすることが当たり前だと思っていたんですよね。
でもその考え方がちょっと変わりました。いつまでも、あのカメラ然としたデザインに縛られる必要はない。これからは、カメラがライフスタイルに合わせて形を変えるのが当たり前になってくるのではないかと。
みんなでテーマパークに行くとき、家族でお出かけするとき、子どもの運動会やスポーツ大会を撮影するとき、自宅でパーティをするとき。使うひとや撮影するシーンに合わせてカメラが最適な形になってくれる。そんな未来が近づいてきているのかもしれません。
これから「え? これがカメラなの?」というような製品が増えて、カメラという概念がさらに広がっていくことでしょう。そうすると、カメラ選びがさらに楽しくなるはず。
今回、キヤノンさんのコンセプトカメラたちを見て、僕らはそう感じました。そして、僕らが想像もできないようなカメラが、これからたくさん出てくるといいなと思います。
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April 08, 2020 at 07:47PM
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これ文房具じゃなくカメラです。キヤノンが作り出した「カメラっぽくないカメラ」たち - GIZMODO JAPAN
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