- 2020/06/06 00:00
- 佐久間賢三
宜賓の最終日の朝、いつもどおりホテルの近くをうろつき、これまでとは別の店に入って朝食を食べた。食べたのは肥腸麺(フェイ チャン ミェン)。真っ赤なスープが朝から胃袋に気合を入れてくれる、これまた四川ならではの食べ物である。
スープの赤と豆乳の白
10年ほど前に初めて宜賓に来た時、現地の友人に連れられて最初に食べた朝食が、この肥腸麺だった。今回、最後の日になってようやく食べることができた。
肥腸というのはモツのことで、肥腸麺は日本語でいえばモツラーメンといったところ。同じ四川省でも省都の成都市では、麺の原料にサツマイモを使った肥腸粉(フェイ チャン フェン)が有名だが、ここ宜賓では小麦粉の麺を使った肥腸麺が一般的のようである。
以前にも書いたことがあるが、中国で「麺」というと普通は小麦粉を使った麺のことを指し、「粉」は米やサツマイモなど、小麦粉以外の材料で作った麺のことを指す。それとは別に、ソバのことは「蕎麦麺」(チァオ マイ ミェン)という。
道路に面した店のテーブルに座り、出てきたのがこれである。
スープはやや黒みがかった赤。いかにも辛そうである。そこに肥腸のかたまりが浮かんでいる。スープの上澄みと下の部分の色が違う。上澄みは油だろうか。まあとにかく、よく混ぜてから食べる。一部を除き、中国の麺類を食べる時の基本である。
見た目ほどには辛くない。朝食に食べても問題ないほど。それどころか、食べていくうちにこの微妙な辛さが口の中で快感になり、箸が止まらなくなってくる。
お口直しは温かくてほんのり甘い豆乳。中国の朝食の基本である。赤と白で彩りもいい。
朝からお腹も満足。この後、荷物をまとめて市バスで高速鉄道の駅に行き、成都に戻る。宜賓ではまだまだ他にも食べたいものがあった。次に来られるのはいつの日か。
佐久間賢三
中国在住9年5か月を経たのち、尻尾を巻いて日本に逃げ帰る。稼いだ金は稼いだ場所で使い果たすという家訓を忠実に守ったため(?)、ほぼ無一文で帰国。食い扶持を稼ぐためにあくせく働き、飲みに行く暇も金もない日々を送っている。日本の料理が世界で一番美味いと思っているが、中華の味も懐かしく感じる今日この頃。
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June 05, 2020 at 10:00PM
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中国美味紀行その125(四川食い倒れ旅編14)「朝から真っ赤なスープの麺 肥腸麺」 - SecurityInsight
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