非常事態宣言が解除され、電車で通勤する人も増えたようだ。出勤時刻を遅くする時差通勤もよいが、朝早く起きて出勤すると、電車が空いているばかりでなく、仕事の効率がアップし、お金も貯まるという。
東京・渋谷で朝活サークル「朝渋」を運営し、著書『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』を上梓した井上皓史氏と、「早寝早起き朝ごはん」などの「隂山メソッド」で有名な教育クリエイターの隂山英男氏、朝活の達人であるお二人に対談していただいた。
「新しい発想は朝、生まれる」
井上 私は、朝活コミュニティ「朝渋」を運営しています。早起きをきっかけにして「自分で人生を選択できる人を増やす」ことを理念に活動していて、中でも、朝7時から本の著者に語っていただくイベントは累計1万人の方々に参加していただきました。私の活動は4年ほどですが、隂山先生は長い間、「早寝早起き朝ごはん」運動を展開されていますよね。
隂山 はい。私は教員時代から、子供の学力を上げるためには基礎的な生活習慣を身につけさせることが大切だと、親御さんたちを巻き込んで実践してきました。「生活習慣」と百ます計算などの「反復練習」を絡めることで、実際、子供たちの学力が飛躍的に向上し、広く知られるようになりました。
井上 先生ご自身は、いつから早寝早起きをしていらっしゃるのですか?
隂山 もともと農家の生まれなので、子供の頃から基本的に早寝早起きでした。ただ、それを意識的にやるようになったのは中学生のときです。遅くまで勉強するのが苦手で悩んでいたときに、何かの本で、早朝に起きてやる学習法があるというのを知ったんです。それをきっかけに午前3時に起きるようになりました。
井上 3時ですか! 早起きというより、深夜起きですね(笑)。
隂山 当時は遅くまで起きていることができなくて…。10時になるともう眠くて眠くて…。その代わり早く起きる分には5時起きだろうが3時起きだろうが問題ないと。3時に始まるラジオの深夜放送を聴きたいというのもあって、早寝早起きが身についたんですね。
井上 そのあともずっと3時起きだったのですか?
隂山 大学に入ってしばらくは自堕落な生活をしていましたが、就職を意識してから、また早起きになりました。社会に出てからは、5時起きが目安かな。
井上 僕も5時起きなんです。僕が5時起きになった理由は、サラリーマンだった父が通勤するのに満員電車を避けて出社していたためで、家族全員が5時に起きて、5時半には揃って朝ごはんを食べているような家庭でした。陰山先生が5時を目安とされていたのは、どういった理由からですか?
隂山 出かける前に、勉強や仕事の準備をしたり、ちょっと体を動かしたりといった、作業の時間を取るためには5時起きくらいがいちばんいいと思ったからです。そういう生活をしてわかったことですが、新しい発想はだいたい朝の時間帯に出てきます。
井上 ああ、すごくわかります。
井上皓史氏の著書『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』(小学館)と、隂山英男氏の著書『頭のいい子が育つ「最高の生活習慣」』(PHP文庫)
夕方3時間かかる仕事が朝なら30分!
隂山 それから作業効率が圧倒的にいい。
井上 本当にそうですね。僕の経験では、19時から22時にやっていた3時間のタスクを、朝5時からやると30分くらいで終わる感覚です。集中力の高まりかたが圧倒的に違いますね。僕は今、27歳なんですが、SNSとかメッセンジャーとかメールとか誰かと繋がっているのが当たり前なので、日中はそういったものへの返事をし続けていて集中できないんです。でも、朝の5時から7時の間は、そういった連絡は来ません。なので、集中しなければならないタスクを行うときは、その時間帯が最適です。
隂山 私はもともと教員ですから、その日に学校で使うものとか資料とか、朝一気に仕上げてしまう感じでしたね。朝の時間の特徴は、物事を集中してできるということと、新しい発想が湧いてくること。ほかの人が思いつかないことが提案できるようになってくる。思いつくと、すぐやりたいじゃないですか。
井上 朝、思いついたことが、その日のうちに試せるのですね。
隂山 そうそう。非常に効率がいいんです。すぐに結果がわかるから意欲も向上します。周りを見てみると、仕事で尊敬できる人はだいたい5時起きだったということが、よくあるんですよね(笑)。
朝型でお金も貯まる?
井上 朝型のメリットには他に、お金が貯まるというのがあります。生活を朝型にするためには夜の付き合いをある程度制限します。たとえば1回5000円の飲み会を週3回やると、月に6万円、年間72万円も飲み代に消えてしまいます。それを週1回にすると、年間50万円近く浮くわけです。お金がどんどん貯まっていったのは、嬉しいことでしたね。浮いたお金は貯金してもいいし、自分に投資してもいい。今であれ将来であれ、生活の質を変えることにつながります。
隂山 私の場合、朝方の生活は、仕事の楽しさに直結していました。どういうことかというと、教員時代、毎朝、授業の準備をしていたんですよ。「本当はもっと寝ていたいけど、仕方なくやっていた」のではありません。準備をしてから授業に臨むと、その日の授業が進めやすくなるんです。そうなると教えるのが楽しくなります。朝の準備が仕事の楽しさにつながることがわかっていたので、苦労とは思いませんでした。
井上 今、コロナウイルスの問題のために、ラッシュ時の通勤を避ける時差出勤をしている人が多いみたいです。出社時刻を後ろにずらすのもいいですが、生活を朝型に変えて、思い切って前倒しするのはたくさんメリットがあるように思います。
隂山 集中できる朝に、思い切り事務的な仕事を処理しておくことですよ。
早起きより早寝の意識が大切
井上 でも、早起きができない人も多いみたいで、私はよく「早起きを習慣化するにはどうしたらよいでしょう」と相談されます。問題は夜の過ごし方にあると思います。何の考えもなく夜を過ごしている人が多いみたいです。残業、飲み会、帰宅後もダラダラと動画を見て……。後ろが決まっていないぶん、寝る時間が遅くなってしまうんですよね。ですから、まずは早く寝るということを重視したほうがいい。どうしたら早起きができるかではなく、どうしたら早寝ができるかを考えることが大切なんですよね。
隂山 井上さんがお書きになった本にも、習慣化のコツがたくさん書かれていますね。
井上 ええ。早く帰るために上司をどう説得するかとか、飲み会対策とか、今度出した本には、会社員時代からコツコツ考えた、早起きのコツを書かせていただきました。
隂山 早寝早起きをして朝ごはんを食べてきた子供たちは、目の色からして違うんです。大人もそういう生活をすれば同じでしょう。元気なビジネスパーソンが増えてほしいですね。
隂山英男
1958年兵庫県生まれ。教育クリエイター、隂山ラボ代表。「百ます計算」や「読み書き計算」の徹底した反復学習と生活習慣の改善に取り組み、子供たちの学力を飛躍的に向上させた。その指導法「隂山メソッド」は、教育者や保護者から注目を集め、隂山メソッドを教材化したドリル「徹底反復シリーズ」ほかの発行部数は累計1500万部に及ぶ。
「隂山ラボ」http://kageyamahideo.com/
井上皓史
1992 年東京都生まれ。朝活コミュニティ「朝渋」代表。幼少期より22時に寝て朝5時に起きる生活を続けていたが、社会人となって夜型の生活を送る人の多さに驚愕。朝活コミュニティ「朝渋」を立ち上げ、読書や英会話などさまざまな活動を行う。2018年、勤務先の企業を退職し、「朝渋」に本格コミット。早起きを日本のスタンダードにすることを目指す。
「朝渋」http://asa-shibu.tokyo/
取材・文/西之園あゆみ
撮影/田中麻以
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June 05, 2020 at 06:06AM
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