絶対王者の進化と攻略の鍵を探る馬龍スペシャル！張本の超高速バックハンドが馬龍を追い詰める【卓球ジャパン！】｜テレビ東京卓球NEWS：テレビ東京 - テレビ東京

【公式】卓球ジャパン！2022年5月28日OA

5月28日放送の『卓球ジャパン！』は、現代卓球最高のプレーヤー、中国が生んだ絶対王者馬龍スペシャル！

スーパースターのこれまでの軌跡を振り返りつつ、前回に引き続きゲストの倉嶋洋介氏（木下グループ総監督）が馬龍攻略のカギを探った。

三大大会で計26冠、史上最長64カ月世界ランク1位という大記録を打ち立ててきた馬龍。試合では圧倒的なパワープレーで相手選手を打ちのめすが、そんな最強の男も若手の頃は「メンタルが弱い」と言われ勝てない時期があった。

混合ダブルスで対戦したことがあるというMC平野早矢香もそんな気弱な時代の馬龍を知る1人で、当時はパートナーの女子選手に「なんでできないの？」という感じで責められることもあったのだとか。今の馬龍からは想像できない意外なエピソードだ。

ジュニア時代から期待され18歳で世界卓球の中国代表に抜擢。しかしシングルスではなかなか頂点に立てず、2009年大会から3大会連続で先輩の王皓に敗れてベスト4止まり。世界卓球男子シングルスで優勝を果たしたのは2015年大会、26歳の時だ。

また団体戦でも苦い敗戦を経験しており、世界卓球2010の決勝ではドイツ戦のトップでボルにゲームカウント2-0から逆転負けを喫している。決勝戦のトップというプレッシャーもあり、中盤以降目に見えて表情が硬くなっていく馬龍の姿があった。

このようなどん底の時代を経て、世界卓球では男子シングルス3連覇、オリンピックでも2連覇という偉業を達成。若手時代はミスも多かった大振りのフォアドライブは、コンパクトになって対応力が上がり、また戦術の巧さも身につけ、難攻不落のパワーファイターへと進化を遂げた。

「今までは打たせてもらえずに勝てないことがあったが、どうすればフォアハンドを活かせるラリー展開に持っていけるかをすごく考えて、年々進化を続けている」と倉嶋氏も馬龍の進化を分析した。

世界卓球2019ではスウェーデンのファルクを倒して3連覇。大会当時、日本の記者に「ファルクに何かアドバイスするとしたら？」と質問された倉嶋氏は「馬龍に引退してもらうしかない（笑）」と答えたそう。他国の監督が冗談でもそう言いたくなるほど強いのが馬龍なのだ。

しかし、そんな絶対王者に2度勝利した選手が日本にはいる。それが張本智和だ。1度目は2018年ジャパンオープン、そして2019年ワールドカップで2勝目をあげた。

ワールドカップでの試合、馬龍攻略の鍵となったのは張本の伝家の宝刀バックハンドだ。

「（馬龍の）バックハンドは強くないので、そのバックハンドに対して張本がフォアサイドにバックストレートで打てるようになると馬龍の足が止まり、バックに詰めて勝てる」と倉嶋氏。

「待っていてもなかなか取れない。自分が返した瞬間にもうボールがこっち（フォア）に飛んできている」と倉嶋氏も驚く張本の超高速バックハンドで馬龍のフォアサイドをつぶしていった。

強烈なフォアドライブを持つ馬龍のフォアサイドにボールを送るのは決して簡単ではない。しかしだからと言ってバックに集めると馬龍の回り込みの餌食になってしまう。強いメンタルで馬龍のフォアサイドを突いた張本が試合の主導権を奪っていった。

またバックハンドだけでなくフォアカウンターも絶好調で、馬龍のフォアドライブに対してブロックで止めるのではなくカウンターで攻め返したことも勝因のひとつ。アグレッシブなプレーで張本が一気に3ゲームを連取した。

「張本はエンジンがかかってくると打球点がものすごく速くなるから（馬龍は）回り込む余裕がなくなる。さらに張本のボールに緩急がついて、急ぎすぎてゆっくりのボールに対応できなかったり、馬龍の回り込みの感覚がおかしくなっていった」（倉嶋氏）

第4、第5ゲームは落としたものの、第6ゲームは再び張本のペース。

8-4ではバック前に来た馬龍のサーブに対してあえてチキータをせずにストップ。回り込もうとしていた馬龍の裏をかく巧みなレシーブに倉嶋氏も「すごくうまい技術」と感心。

最後は馬龍のフォアドライブをカウンターで攻め返して張本が勝利をおさめた。

「張本のスピード、打球タイミングの速さが際立った試合。これぐらい速くないと馬龍レベルは倒せない。日本の目指す卓球はこのスピード、決定力の高さ」と倉嶋氏。

これらのポイントを踏まえたうえで「次に馬龍を倒す、 相性が良さそうな選手は誰？」というMC武井壮の質問に対して、倉嶋氏が名前をあげたのは全日本王者の戸上隼輔だ。

「日本の選手でこんな鋭いボール打つ選手がいるの？という印象はありました。樊振東ともいい勝負をしているので馬龍ともいい試合ができると思う」とコメント。

最強中国を打ち砕くのは誰なのか。日本男子のさらなる進化に期待したい。

「卓球ジャパン！」 BSテレ東で毎週土曜夜10時放送

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