特殊詐欺被害が和歌山県内でも相次ぐ中、海南市で今春、家族や身近な人らの判断で被害を防いだ事例があった。卑劣な特殊詐欺グループの犯行を阻止するには、周囲の勇気あるひと言や行動が鍵になると取材を通じ、感じている。
海南署によると、4月13日の午後、90代女性方に「警視庁の特殊詐欺を担当する警察官」とする人物から電話があった。男が訪ねてきたのは約2時間後。「犯罪に使われたから」として、女性のキャッシュカードを詐取しようとした。
このとき現れたのが、女性の60代の娘だ。近くに住み、高齢の母を心配して毎日訪れている。金髪のような茶髪で紺色のスエット姿で警察官をかたる男を不審に思った娘は「持っていかんとって!」と制止し、カードを奪い返した。その後、県警捜査2課と署は7月21日、詐欺未遂容疑で京都市山科区の解体作業員の男(21)を逮捕した。
4月19日には、JA男性職員が顧客の80代女性を被害から守った。女性は息子を名乗る男から現金約300万円を要求されていたが、職員は詐欺グループと電話でやり取りをする中、噓を見破る。「息子」を名乗りながら、住所を言えなかったためだ。この事件で2課と署は同日、詐欺未遂容疑で住居不定の建設業の男(32)を逮捕した。
このように、特殊詐欺犯の手は市民の近くにまで伸びている。県警生活安全企画課によると、昨年の県内の被害額は約9070万円。今年は6月末段階で約6320万円に上る。
詐欺犯は「カードをすぐ無効にしないと…」などの言葉で相手を不安に陥れ、判断力を奪う。ある捜査関係者は、財産をだまし取られ「人に会うのが怖い」ほどまで追い込まれた人がいると明かし、「周りの人が『おかしい』と、ひと声かけるだけで、事件を防げる可能性がある」と話す。
「被害者になりそうな人」を救えるのはあなたかもしれない。だれも無関心であってはいけない。(藤崎真生)
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県警は特殊詐欺防止に向けたフリーダイヤル『ちょっと確認電話』(0120・508・878=これは・わなや)を開設。24時間受け付けている。
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