K&Kのコンビーフ。かつての商品は容器が「巻き取り鍵」タイプだったが、今はアルミック缶タイプ(右)に
先日、お笑いタレントの宮川大輔さんとコンビーフの話で盛り上がった。共感するポイントがいくつもあって面白かったが、それはきっと世代が近いせいでありましょう(どちらも昭和育ち)。コンビーフというと、まずは中身よりも容器の話題になるのが不思議だ。鍵形の道具で開けるのが楽しみだったとか、その鍵を捨てずに取っておいたとか。
「あの鍵、何に使うわけでもないけど集めてたなー」と僕。
「どこの扉も開かへんけどね」と大輔さん。
あの鍵のことを、缶詰業界では「巻き取り鍵」と呼ぶ。金属をくるくると巻き取って開ける作業は痛快で、子供の頃は「開けさせて!」と親にねだったものだった。だが、その巻き取り鍵が付いたコンビーフは今、販売されていない。なぜだろう?
コンビーフはかつて、鍵でクルクルと缶を巻き取り開けるタイプが主流だった
缶詰には缶という容器が必要だが、缶詰メーカーが自ら造っているわけではない。「製缶会社」から仕入れて使っているのだ。巻き取り鍵が付いた缶詰が姿を消したのも、製缶会社がその缶の製造を中止したため。理由は製造する機械が老朽化したためと言われている。
製缶会社と缶詰メーカーは互いに重要な取引相手。ゆえに、巻き取り鍵式の缶の製造をいずれ止めるという情報は、早くから缶詰メーカーに伝わっていた。
「次世代のコンビーフ缶はどうあるべきか?」
製缶会社と缶詰メーカーが協力し、素材や形状について協議と試作を重ねた。その結果、まったく新しい容器が2種類登場してきた。
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