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宇宙ビジネスの鍵は「投資」と「浸透」 帯広でサミット - 北海道建設新聞

衛星測位など、建設業でも注目度高く

 9月29日に帯広市内で開催された北海道宇宙サミット2022に来場者、オンライン視聴者合わせて約1300人が参加するなど、初開催だった昨年以上の関心を集めた。有識者らが登壇し、宇宙ビジネスの未来を考えた。衛星を使った測位技術など建設業界でも注目度は高く、宇宙が秘める可能性が大きいと確認。具体化には『投資』と『浸透』が鍵になることが分かった。(帯広支社・草野健太郎記者)

「資金繰りに苦慮した」と明かす堀江氏

 トークセッションでロケット製造やエンターテインメント業界など計22人の有識者が登壇。インターステラテクノロジズ(本社・大樹、IST)の稲川貴大社長は「宇宙産業への関心は年々高まっている」とした。

 世界の宇宙産業市場は20年後に110兆円規模を見込む。日本の宇宙関係予算は、2021年度補正と22年度当初予算で合わせて5219億円を計上するなど、増加の一途をたどっている。

 しかし、宇宙産業の情報発信などを担うSPACETIDE(本社・東京)の石田真康代表理事兼CEOは「世界的に大競争時代。日本の投資はまだ足りない」と指摘。「民間企業の可能性にもっと賭けても良いはずだ」と主張する。

 宇宙への投資は老朽インフラの課題解決にもつながる。石田代表理事兼CEOは高度経済成長期のインフラに触れ、「人口減少時代で維持管理は非常に厳しい。衛星通信の活用で省人化、自動化を実現する」と可能性を説く。

 ISTを創業した堀江貴文氏は「金融機関との連携に苦戦した」と吐露。融資を受けられなかった背景に宇宙産業への理解度不足を挙げ、「行政のお墨付きがあるわけではない。実現性など不透明さを感じたのでは」と指摘する。鍵になるのは宇宙産業の『浸透』だ。

 宇宙港開港を推進するSpace Port Japanの青木英剛理事は「ロケットの打ち上げ回数は世界的に後れを取っている。輸送機製造企業への資金的な支援は不可欠」と強調。「少額でも宇宙ベンチャーにとっては大成長につながる可能性がある」と展望する。

「建設業でも可能性が広がる」と話す岩田地崎建設の河村技術部長

 建設業でも衛星を活用した技術が関心を集める。岩田地崎建設(本社・札幌)でICT推進を担う河村巧常務執行役員技術部長は「遠隔臨場や災害時対応で衛星通信を活用できる。地形データの詳細化など期待も大きい」と話す。

 エンターテインメント業界も注目。ISTの実話を基にした漫画「晴天のデルタブイ」では、堀江氏を美少女化してロケット製造の過程を描いた。電子書籍配信サービスを展開するナンバーナイン(本社・東京)の小林琢磨社長は「宇宙飛行士になれなくても宇宙に関われることを知ってほしい」と呼び掛ける。

 認知度不足を口にする登壇者は多い。投資意欲にも直結する課題だ。向上には一層の工夫が求められている。


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