Mark Bendeich
[18日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は少なくとも2030年まで権力の座にとどまることが確実視され、インドのモディ首相も29年まで政権を維持する可能性が高い。米国ではトランプ前大統領が選挙結果を覆そうとしたとして起訴されたにもかかわらず、大統領に返り咲く可能性がある。
権威主義的な支配者がリベラルな民主主義者より優位に立つことを憂慮する人々にとり、24年は懸念の多い年になりそうだ。
来年は世界の4分の1以上の人口を占める国・地域で選挙が予定され、台湾で1月、ロシアで3月、インドで5月までに、米国では11月に実施される。英国の総選挙も24年末までに行われる公算が大きいが、25年1月にずれ込む可能性もある。
しかし、米大統領選ほど民主主義の将来を巡る議論に大きな影響を与える選挙はないだろう。
<注目される選挙>
20年米大統領選での敗北を認めず、選挙で不正があったと虚偽の主張をしているトランプ氏は、自身が政権に返り咲いた場合は司法省や連邦政府機関の官僚、バイデン大統領ら政敵に報復すると誓っている。
こうした中、国内で政治的な対立が深まり、社会不安を引き起こすのではないかとの懸念が広がっている。
台湾は1月13日に総統選と立法院(議会)選挙を実施する。選挙結果は中国の習近平国家主席が台湾統一の目標をどう追求するかに影響する可能性がある。
中国は総統選の有力候補である民進党の頼清徳副総統を「台湾独立分子」と見なし敵視している。米軍関係者によると、習氏は中国軍に対し、27年までの台湾侵攻に備えるよう命じた。
ロシアでは反体制派を長年弾圧してきたプーチン氏の大統領再選が確実視されている。このためウクライナ侵攻も続く見通しで、米国の忍耐が試されることになる。トランプ氏はウクライナに対する米軍事支援の大きさを批判してきた。
インドではモディ首相が再選に向けて順風満帆だ。同氏の妥協しないリーダーシップスタイルは多くの有権者や海外投資家には受けが良いが、人権団体からは批判が強い。
モディ氏の与党インド人民党(BJP)が勝利すれば、同氏は人権問題ではなく経済に引き続き焦点を置くと予想される。
<アフリカでも民主主義後退か>
自由民主主義が権威主義や独裁主義に負けているのではないかという議論においてはアフリカも重要になる。
ニジェールとガボンで今年起きたクーデターは、20年以降8件のクーデターが発生した西アフリカと中央アフリカにおける民主主義の後退を拡大させた。
30年にわたり汚職や景気低迷に悩まされてきた南アフリカでは来年、与党のアフリカ民族会議(ANC)が1994年以降初めて議会の過半数を失う恐れがある。
そうなればANCは政権にとどまるため、白人有権者に人気の民主同盟(DA)、もしくは黒人貧困層の支持を集める急進左派「経済的解放の闘士(EFF)」との連立が必要になる可能性がある。いずれにせよ、南アの民主主義は転機を迎えることになる。選挙は5月から8月の間に実施される見通し。
民主主義は24年に後退するのだろうか。政治的権利や市民の自由を民主主義の指標としている米人権団体フリーダムハウスによると、民主主義は17年間後退してきたが、最新の調査では改善の兆しが示された。
3月に公表された報告書によると、22年には34カ国で民主主義が改善し、悪化したのは35カ国と後退傾向が始まってから最も少なかったという。
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