Search

寺田心、成長の鍵は「見ようとしていない自分の一面を知ることにある」声優務めたアニメ映画「屋根裏のラジャー」に影響受ける ... - スポーツ報知

 俳優の寺田心が、著しい成長を見せている。公開中のアニメ映画「屋根裏のラジャー」では、声優初挑戦ながら主演に抜てき。壮大な映像と共に冒険を繰り広げる主人公の少年を生き生きと表現してみせた。私生活では部活動でバスケットボールに熱中し、趣味の料理も極めるなど好奇心旺盛な中学3年生は、今後の夢を「獣医師の勉強と俳優を両立したい」と掲げた。(奥津 友希乃)

 取材開始直後、寺田は持参したA4ノートをおもむろに開いた。きれいな字で作品や役柄の情報などが書き込まれ、「大事なことは紙に残しておきたくて。実は、夏休みの宿題で作ったパワーポイントが全部消えてしまったことがあった。しかも53枚分! それからちょっとトラウマなんです」。大人顔負けの折り目正しさと、子供らしい表情が行ったり来たりする。

 3歳で芸能界入りし、愛らしいルックスと演技力の高さで一躍話題に。10歳で出演したブックオフのCMでは、ぱっつん前髪にエプロン姿で店員役を演じ「ブックオフなのに本ねぇじゃん!」とシャウト。振り切った芝居で注目を集めた。

 「ブックオフさんのCMは、いつもと違う自分の一面を見いだしてもらい、すごく印象に残っています。母がこの世界に入れてくれましたが、物心ついた時からお芝居が好き、楽しいという気持ちがずっとあります」

 “心くん”の愛称で親しまれてきたが、最近はテレビに出演する度に「もうこんなに大きいの!?」とネット上が騒然となる。約3年前の中学1年時は127センチだった身長は40センチ以上伸び、体重も入学時から倍増。50メートル走は「1年生は10.39秒だったけど、今は7.0秒です」と成長期ど真ん中だ。

 肩書も子役から俳優に変化し、任される役や責任も大きくなっている。アニメ映画「屋根裏のラジャー」では、少女の想像から生み出された主人公の少年ラジャーを演じた。

 「ラジャーは、想像から生まれたイマジナリ。僕にも似たような存在で、くまのぬいぐるみの“コロちゃん”がいた。生まれた時に母からもらったのですが、お仕事にも連れていってずっと一緒だった。いつしかコロちゃんの声が聞こえなくなってしまったけど、共感するポイントがあったからこそ、この役をつかみたかった。合格した時は、祖母と母とみんなで号泣したくらいうれしかったです」

 中学2年時に行ったアフレコは、変声期との勝負だった。

 「声変わり直前だったのでプレスコ(先に声を収録し、後に映像を作る手法)での参加でした。絵が白黒の状態だからこそ自分の想像と一緒に物語ができていく不思議な感覚があった。のどのケアも入念にやりましたが、終盤は声変わりがちょっと始まっちゃって。でもラジャーと共に僕の成長も記録していただき、宝物のような経験になりました」

 試写は、共演の声優キャストらと鑑賞したという。

 「手描きアニメの温かみを感じましたし、映像が美しくて圧倒されました。自分の声がアニメーションに乗っかっていることに不思議な感覚もあったんですけど、ラジャーとして自分の声が生きてくれているうれしさ、スタッフさんたちがたくさんの情熱と年月を費やして来られたことが形になったことにも感動しました。もう既に試写で何度かみさせていただいていますが、学校の友達とも一緒にみにいく約束をしています。友達たちがどんな感想を持ってくれるのかも楽しみです」

 劇中であるキャラクターの「自分に見えてないものは見たくないもので、見ようとしていないだけ」という考え方が心に響いた。

 「今、僕は反抗期でつい斜に構えて素直になれない時がある。やっぱりまだ見ようとしていない自分の一面がたくさんあると思うんです。人生にはいい場面も悪い場面もあって、きっとどっちも知らなければ成り立たないのかなと。不安はあるけど、楽しみです。知っていければ成長できる鍵があると思っています」

 演じたラジャーと自身の共通点を「信念を貫くところ」と分析する。プレスコ現場でも監督の助言をメモし、自信が持てるまで自宅で反復練習を怠らなかった。

 そのストイックさは、中学で所属しているバスケ部の活動にも通じている。当初は「かっこいいしモテそうだなあ、という不純な動機から入部したんです」とはにかむが、今では「ガチ勢と言いますか…バスケおバカさんです」と自認する。

 「ポジションは(司令塔の)PG。登校の数時間前に起きてドリブルなど自主練をして、夜も筋トレや5~6キロのランニングが日課です。うまくなりたい一心です。指を10本全部突き指して箸が持ちにくい時もボールはついていました」

 手をつけ始めると、とことん凝る性分。料理上手の祖母の影響で中学入学時から料理教室に通っている。最近作ったものを聞くと「ギモーヴ(フランスの砂糖菓子)とか、モンキーブレッド(ちぎりパン)とか…」と次々と聞きなじみのない名前が飛び出す。

 「甘党でお菓子が大好きなので、本格的にやってみたくて始めました。料理とスイーツの2つで教室内での講師を務めることができる資格も取得しました。いつかクッキング番組に出られたらうれしいです」

 俳優に学業、部活動、趣味にも没頭する15歳の可能性は無限大だ。夢は「獣医師になって保護施設を作ること」という。

 「家で犬を飼っていて動物は大好き。でも、母にもらった本をきっかけに保健所で悲しい思いをしている動物の存在を知りました。そういう子たちが、僕が大人になる時にいないことが一番の幸せですけど、それは難しいことだと思う。だから、自分がその子たちを何年かかってもいいから救えたらいいなと思っています。免許の勉強も俳優と両立していきたいです」

 12年を迎えた芸能活動でもステップアップを誓う。憧れは19年NHKドラマ「浮世の画家」で共演した俳優・渡辺謙。「現場で『子役じゃなくてひとりの俳優さんとして君を見るね』と言ってくださったのがうれしかった。僕もお芝居や共演者に真摯(しんし)な俳優でありたい」と大きな背中を追っている。「もっと心も体も人としても成長したい。この先は全ての作品が僕にとって転機になると思います」。“心技体”を鍛え、自分にしか歩めない未来を切り開く。

 ◆寺田 心(てらだ・こころ)2008年6月10日、名古屋市生まれ。15歳。3歳で芸能活動を始め、CM、ドラマ、映画で子役として活躍。18年、主演映画「ばあばは、だいじょうぶ」でミラノ国際映画祭の最優秀主演男優賞を史上最年少で受賞。主な作品はNHK大河「おんな城主 直虎」(17年)、NHK連続テレビ小説「らんまん」(23年)など。

Adblock test (Why?)



from "鍵" - Google ニュース https://ift.tt/hbQzYm6
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "寺田心、成長の鍵は「見ようとしていない自分の一面を知ることにある」声優務めたアニメ映画「屋根裏のラジャー」に影響受ける ... - スポーツ報知"

Post a Comment

Powered by Blogger.