習氏「ＥＵは貿易協力の鍵」首脳会談、歩み寄り求めるＥＵは貿易不均衡是正を要求 - 産経ニュース

ＥＵのミシェル大統領（左）、同フォンデアライエン欧州委員長（右）と写真に納まる中国の習近平国家主席＝７日、北京の釣魚台迎賓館（新華社＝共同）

【北京＝三塚聖平】中国の習近平国家主席は７日、北京で欧州連合（ＥＵ）のミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長と会談した。中国外務省によると、習氏は「ＥＵを経済・貿易協力の鍵となるパートナー、科学技術協力の優先的なパートナーにしたい」と表明した。中国は西側諸国との関係が緊張する中、経済をテコにＥＵと関係強化を図る考えとみられる。

習氏は「双方は制度が異なるからといって互いをライバルとみなしてはいけない」と発言し、中国への歩み寄りを求めた。米国との対立長期化が不可避とみている習政権は対外関係の安定化へＥＵを重視。習氏は「不安定な国際情勢下で、中国とＥＵとの関係は戦略的な意義や世界的な影響を備えている」と強調した。

習氏は巨大経済圏構想「一帯一路」に触れ、「高い質の共同建設を引き続き推進したい」とも呼び掛けた。イタリアが離脱の意向を正式通知し、欧州のつなぎ止めを図ったとみられる。

仏メディアによると、フォンデアライエン氏は習氏との会談で、ＥＵと中国の間には「対処すべき明白な不均衡と相違がある」と、ＥＵが多額の赤字を抱える不均衡な貿易の是正などを要求。ＥＵの両首脳は続いて李強首相とも会談した。

フォンデアライエン氏とミシェル氏は記者会見で、習氏らと貿易の不均衡是正や人工知能（ＡＩ）のルール策定での協力の必要性で一致、ＥＵ側はロシアが侵略するウクライナ和平への建設的な関与も促したことを明らかにした。

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