もはや新型コロナウイルスの蔓延を止められないとしたら、誰もがこのウイルスに対する免疫を持つようになる日を待つしかないのでしょうか?
しかし、この考えには致命的な欠点があります。
集団免疫は個人を守ることはできても、ワクチンがない病気から全人口を守ることはできないからです。
ピンときませんか?
では、理解を深めるために、集団免疫とはどのようなものか?どうすれば集団免疫を実現できるのか?そして、その結果はどうなるのか?を見ていきましょう。
そもそも集団免疫とは?
死に至る可能性がある伝染病が流行すると、結果的には生き残るか死ぬかです。
多くの伝染病の場合、生き残った人たちは免疫がつき、二度とその病気にかかることはありません。その点はCOVID-19ももしかしたら同じかもしれません。
個人レベルで見ると、免疫できれば伝染病から守られます。
ですから、COVID-19に免疫がある人は、外出しても病気になる心配はありません。また、私自身にCOVID-19 の免疫がなくても、世界中の人に免疫があれば私自身も安全です。

周囲の人たちの免疫によって守られるというコンセプトが集団免疫です。
ワクチン接種により実現する集団免疫なら問題ありません。
たとえば、町民の95%に麻疹の免疫があるとしたら、麻疹にかかった旅行者がその町にやってきても、誰かにうつす可能性はほとんどありません。
ワクチンが町民のほとんどを守り、ワクチンを接種していない少数の人たちも、麻疹がその人たちまで到達しようがないので守られます。
集団免疫はすべての人の安全を保証するものではありませんが、感染が拡大してもたいていは急速に終息します。
全体の何パーセントが免疫すると集団免疫になるかは、病気によります。
麻疹はとても感染力が強く、感染者がいない集団では1人の感染者が12人から18人に感染させます。
COVID-19はそこまで強い感染力はないようで、感染者1人につき2人から3人に感染させると見込まれますが、まだ正確な数字はわかっていません。
今のところ、全体の60%が免疫すると集団免疫に達する可能性があるとしか言えません。
集団免疫を獲得すれば新型コロナウイルスは終息する?
ことはそう簡単ではありません。
「“集団免疫を獲得すれば”と言うとき、集団免疫を獲得する方法は全員が発病することだということを認識できていません」とボストン大学公衆衛生学部で疫病の助教授を務めるEllie Murrayさんは言います。
Murrayさんによれば、新型コロナウイルスに感染してもあまり重症化しないこともあり得ますが、実際には感染した人の多くが重篤になっています。
死を免れる場合も、何週間も重篤な状態が続き入院が必要になったり、臓器障害やその他の長期的な後遺症に苦しむことになるかもしれません。
もっとも、新型コロナウイルスの感染症に人類が苦しむのは歴史上初めてのことであり、回復した人たちもまだ数か月しか経過していないので、どのような後遺症があるかもわかっていません。
そして、死者も出ます。COVID-19の死亡率はまだ調査中ですが、概算では、1%未満~3%と見込まれます(状況にもよりますし、すべての症例がカウントされているとは限りません)。
これを米国全体に適用すると、何百万人もの死者が出ることになります。
麻疹の場合、ワクチンがあるおかげで私たちは集団免疫で守られています。しかし、ワクチンが存在しないCOVID-19のような感染症の場合は、免疫するには感染するしかありません。
ですから、「みんなで病気になろう(=集団免疫を獲得しよう)」という考えは、「みんなが病気にならないためにはどうすればよいか」という問題の解決策にはなりません。
全員が感染したら、少なくとも免疫はできる?
短期間はそうなるかもしれません。
しかし、COVID-19に対する免疫がどのくらい持続するかは、まだわかっていません。
ほかのコロナウイルスについて科学的にわかっていることに基づいて考えると、COVID-19の免疫は1年ぐらいしかもたない可能性があります。
また、新型コロナウイルスに感染すると一生免疫が保たれることがわかったとしても、別の問題があります。
それは、どんなコミュニティも、ほぼ全員が新型コロナウイルスに免疫のある状態を長期間維持できないということです。
旅行者も来れば子どもも生まれます。はしかのワクチン接種が実施される前は、数年ごとに麻疹が大流行していました。
たった数千人の赤ん坊が生まれただけで、感染しやすい人間の数が増えて麻疹の大流行が再発したのです。
この数字はCOVID-19に関しては異なるかもしれませんが、原則は同じです。
若くて健康な人たちに免疫をつけてもらう方法は?
ちょっと待ってください。その場合、誰が感染させる役目を負うのでしょうか?
死に至る可能性のあるこの実験の被験者をどうやって募るのでしょうか?
このような実験は、少なくとも倫理に反します。
仮に、不必要に多くの人が死亡することを受け入れるとしましょう(はっきりさせておきたいのですが、私はこの考えは支持しません)。
COVID-19に感染しても生き残る可能性が最も高い人々だけ感染させる方法はあるでしょうか?
実は、高齢者は隔離して、学校を再開したり若者を仕事に復帰させるという提案の裏にはこの思惑があります。
しかし、集団免疫が全人口に適用されないところが問題だとMurrayさんは言います。
交流する人の輪の内側に限って有効な集団免疫になるからです。
老人ホームで暮らすおじいちゃんが交流するのは、ほぼその老人ホームにいる人たちだけで、そこでは誰もウイルスに対する免疫がないとします。
すると、たった1人の感染者が(それはあなたかもしれません)訪問者としてやってきただけで、その建物全体で集団感染が起こります。
結局、「集団免疫の獲得」はウイルスを克服できる?
さらに別の問題もあります。
人口の60%(集団免疫に至る基準値)を感染させたいといっても、ちょうど60%に達した時点で感染の拡大を止めることはできません。
エピデミックには勢いがあるからです。人口の半分以上が既に感染しているエピデミックになると、その勢いは止まらないでしょう。
ですから、もし大規模感染を阻止できるなら、死者が出る前に感染者ゼロの時点で阻止すべきです。
倫理上の問題がここでも生じます。一握りの人たちを死に至らしめることは、たとえ統計的に個人を特定できなくても、あまりにも非人道的です。
志願者を無理やり募っても、やはり倫理上の問題は避けられません。
また、免疫の有無で社会的階層を作るという思想には、恐ろしい差別の歴史があることも忘れてはいけません。
集団免疫を作るには、多数の人命という大きすぎる犠牲を払うことになり、しかもその効果は長期的に続かないかもしれません。
ですから、集団免疫は、COVID-19との闘いに勝つ方法でなく、むしろウイルスに敗北した証明になるでしょう。
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Image: Elena Scotti, Wikipedia
Source: The Conversation, Boston University, PBS NewsHour, Worldometer, The New York Times(1, 2), NCBI, CBS News, MyNorthwest.com
Beth Skwarecki – Lifehacker US[原文]
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April 30, 2020 at 02:00PM
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