2022年4月27日 09:00
イタリアの巨匠ナンニ・モレッティ監督の最新作「3つの鍵」が、9月16日から劇場公開されることが決定。あわせて、「人生の謎を解く鍵はいくつもある」というコピーが添えられたポスタービジュアルと場面写真が披露された。
第47回カンヌ国際映画祭では「親愛なる日記」で監督賞、第54回開催時には「息子の部屋」で最高賞のパルムドールを獲得したモレッティ監督。本作は、7作連続でのコンペティション部門正式上映作品となり「ストーリーテリングの気迫と演出の巧みな技」とメディアからも称賛された。
原作は、イスラエルの作家エシュコル・ネボの「Three floors up」。舞台をローマに移し、3つの物語を3つの時間を軸に再構成した。デビュー以来、一貫してオリジナル作品を手掛けてきたモレッティ監督が、初めての原作に映画化に挑んでいる。
ストーリーの中心を担うのは、ローマの高級住宅地のアパートに暮らす3つの家族。ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは、3階に住むジョバンニとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアだった。同じ夜、2階のモニカは陣痛が始まり、夫が長期出張中のためたったひとりで病院に向かう。仕事場が事故で崩壊した1階のルーチョとサラの夫婦は、娘を朝まで向かいの老夫婦に預けた。後日、認知症の老夫と娘が行方不明に。ルーチョは娘に何か起きたのではと疑念を持ち始める。
交通事故をきっかけに、扉の向こう側に隠されていた住人たちの“顔”があらわに。それぞれの選択がもたらす運命の行方が描かれていく。モレッティ監督は、本作についてメッセージを寄せている。
モレッティ監督「この作品は、同じ建物に暮らす3つの家族の物語です。登場人物たちは脆く、恐怖や強迫観念に駆られ、時に極端な行動をとってしまいます。選択と行動が、自分の人生や大切な人たちにどのように影響するかを描いています。私たちがいかに孤立した生活を送り、コミュニティから自分を疎外するようになってしまったのか――この映画は私たちを外の世界へと心を開くように誘っているのです」
「3つの鍵」には、モレッティ作品の常連マルゲリータ・ブイ、「あしたのパスタはアルデンテ」のリッカルド・スカマルチョ、「幸福なラザロ」のアルバ・ロルバケルら、イタリア映画界をけん引する俳優陣が集結。9月16日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国公開。なお、劇場公開に先駆けて、「イタリア映画祭2022」(https://www.asahi.com/italia/2022/)にて、特別上映される。
(映画.com速報)
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