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ワーケーション経験者わずか約4% 普及促進の鍵は「近所」 - 日経ビジネスオンライン

第5回:遠出の旅行でなくてもいい 仕事場所は近所にもある

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児玉 真悠子

ソトエ代表取締役

本連載では、筆者が足かけ8年、ワーケーションを実践してきた経験をもとに、初心者向けの心得、宿選びのコツ、人との出会いを広げるワーケーションの魅力などを紹介してきました。今回は、大手電機メーカーの新規プロジェクトにもなった「マイクロワーケーション」を取り上げます。ワーケーションとの違いやメリットは何なのでしょうか。ワーケーションの普及促進につながるのでしょうか。探っていきます。

遠くに行かなくてもワーケーションはできる

 「ワーケーションの利点は、普段とは異なる環境でリフレッシュして働けること。その意味では、近所の公園で働くことも十分ワーケーションになり得ます」

 そう語るのはパナソニックで「マイクロワーケーション」を提唱する大嶋佑典さん。

 大嶋さんが所属していたパナソニックのデザインチーム「FUTURE LIFE FACTORY」は、「これからの豊かな人間性を考えていく」というミッションのもと、数々の新規プロジェクトを立ち上げる先行開発的な部署です。集中力向上を狙ったウェアラブル端末「WEAR SPACE」などの新商品を生み出してきました。

 2020年に大嶋さんが同チーム内のプロジェクトの中で考えた「マイクロワーケーション」。日常の仕事を旅先など非日常の場所に持ち込んで、仕事とプライベートを共に満喫するワーケーションに対して、「もっと手軽に平日に近場で行うワーケーション」をマイクロワーケーションと位置付けています。「どこでも働ける世の中をつくっていくことは、豊かな人間性につながる」という考えから、同チームでのプロジェクト化を決めたそうです。

マイクロワーケーションの立ち位置 (画像:FUTURE LIFE FACTORY)

マイクロワーケーションの立ち位置 (画像:FUTURE LIFE FACTORY)

[画像のクリックで拡大表示]

 「長期間リゾート地や観光地に赴く従来のワーケーションとは異なり、近所の河川敷や公園など、住まいから1時間以内で行ける距離で、心地良いと感じる場所で仕事をするのがマイクロワーケーションです。より気軽にリフレッシュできますし、自分が住む土地の魅力を再発見する機会にもなります」(大嶋さん)

 社内でプロジェクトを進めるに当たり、大嶋さん自身も「マイクロワーケーション」を実践。新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言中、自宅のベランダでテレワークしたことを皮切りに、プロジェクトのメンバーを誘って、多摩川の河川敷やオフィス近場の公園に簡易チェアを持参して仕事をするなど、新たな働き方の模索を続けました。

一般的なアウトドア用のチェアに日よけのシェードを付けるなどの工夫をした(画像:FUTURE LIFE FACTORY)

一般的なアウトドア用のチェアに日よけのシェードを付けるなどの工夫をした(画像:FUTURE LIFE FACTORY)

 「マイクロワーケーションを実践した結果、“どこでも働けること”には多くのメリットがあることを実感しました。たとえ近場であっても、働き場所が強制されないこと、自由に選べることは、気分転換につながります。新しい人と出会える機会になるのも魅力ですね。マイクロワーケーションの体験会を企画した際は、仕事後の交流会の時間が楽しかったです」(大嶋さん)

 以前から土日にサーフィンやスノーボードなどアウトドアな活動で息抜きを行う機会が多かった大嶋さんは、「会社や家庭以外の外の人との交流も自分を成長させる重要な時間だと考えていたので、そういった働き方を仕組み化したかった」と話します。

 このご時世だからこそ、新たなワークスペースを探す人も増えているはず。ワーケーションであれば、滞在先を探すためのサイトやサービスが充実してきています。一方で、マイクロワーケーションの場所を探せるようなサービスはまだ少なく、試行錯誤が必要かもしれません。それでも、遠くに行くことの時間的コスト、移動や宿泊の経済的コストを考慮すれば、近場というのは大いなるメリットといえますし、試行錯誤しやすいともいえます。

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