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劇場アニメ『僕愛』『君愛』物語の鍵を握る“パラレル・シフト”を解説|秋田魁新報電子版 - 秋田魁新報電子版

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アニメ映画『僕が愛したすべての君へ』、『君を愛したひとりの僕へ』10月7日より同日公開 (C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会
アニメ映画『僕が愛したすべての君へ』、『君を愛したひとりの僕へ』10月7日より同日公開 (C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

 TikTokで話題になり累計発行部数28万部を突破した、乙野四文字(おとの・よもじ)氏の小説が原作の劇場アニメーション『僕が愛したすべての君へ』、『君を愛したひとりの僕へ』(10月7日より2作同日公開)は、何かを選択するときに選ばなかった方の世界が“並行世界”として実在している世界で、ひとりの少年・暦が、それぞれの世界で別々の少女と恋に落ちるラブストーリー。本作において重要な鍵を握るのが、“パラレル・シフト”と呼ばれる現象だ。

【画像】そのほかの場面カット

 本作のパラレル・シフトとは、誰もが一度は想像したことがあるであろう、選ばなかった方の世界へ移動することができるというもの。あくまで、この時に移動するのは体ではなく意識のみで、基本的には少しの選択の違いがある近い“並行世界”へ移動し、一定の時間が経つと元に戻る。例えば置いた物の場所が変わっていたり、消したはずの電気がついているなどの現実でも日常的に感じる違和感はもしかすると“パラレル・シフト”が原因かもしれない!?

  『僕愛』の世界では、自分に“パラレル・シフト”が起こっているかどうかが、小さい変化では分からないため、生まれた時にIPと呼ばれる数値を測定し、そこを“ゼロ世界”として“IP端末”と呼ばれる端末に登録する。暦と恋仲になるヒロイン・和音が暦に自身のIP端末を見せ、ゼロ世界ではなく別の世界から来たことを説明するシーンもある。

 一方で、意図的にパラレル・シフトを起こす”IPカプセル“と呼ばれる装置も存在する。この装置は、『君愛』の世界で親同士の再婚を知った暦と栞に兄妹にならない運命が約束された”並行世界“への駆け落ちを決断させ、悲劇を生むきっかけとなる…。

 “パラレル・シフト”が繰り返されることにより、 『僕愛』の世界の暦は目の前にいる和音が本当に自分の愛する和音なのかどうかを“IP端末”に表示される数値で確認しなければわからず、頭では同一人物だと分かっていても悩んでしまう。結婚、子どもの誕生など、人生において重要な分岐点を和音と共に歩んだ先で、暦は導き出した誰かを愛するということの答えとは…。”パラレル・シフト”がもたらす2つの世界の愛の物語。2作品を鑑賞した人だけが知ることができる“本当の結末”とは!?

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