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【米中間選挙】 中絶権問題が「勝利の鍵」に - BBCニュース

ホリー・ホンデリッチ、米ケンタッキー州ルイヴィル、BBCニュース

Kentucky abortion referendum

米ケンタッキー州は9日、中間選挙に伴って行われた住民投票で、人工妊娠中絶権を認めないとする州憲法修正案を否決した。

これと同じ結論が、プロ・チョイス(選択支持=中絶権支持)派の優勢なヴァーモント州、ミシガン州、カリフォルニア州でも出た。しかしケンタッキー州では、この結果が自動的に、中絶をほぼ全面的に禁止する現行法を覆すわけではない。

ケンタッキー州ルイヴィルの繁華街では、ホテルの大広間にプロ・チョイスの活動家らが結果発表の何時間も前から集まり、小声で話したり不安そうな笑みを浮かべたりしていた。広間には「私たちの身体を禁止するな」と書かれた黄色い風船が飾られていた。

8日夜に投票が締め切られると、会場の雰囲気が変わった。踊ったり祝ったりする人たちが増え、その場にいる人たちの声も次第に大きくなり、結果の見通しが発表される頃には大勢が歓声を上げていた。投票結果が徐々に明らかになるにつれ、勝利がはっきりした。ケンタッキー州憲法から中絶の権利を排除しようとする案が、敗北したのだ。

プロ・チョイス派の調査グループ、グットマッハー研究所の政策アナリスト、エリザベス・ナッシュ氏は、「中絶が勝利の鍵だ」と話した。

「有権者は、自分の身体や命について人は自分で決める権利を持つべきだと考えている。それこそアメリカ人がアメリカ人たるゆえんの、核心的な部分だ」

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Presentational white space

モンタナ州では、まだ結果が出ていない住民投票がある。いわゆる「Born Alive(生きて生まれる)」法案は、あらゆる段階の胎児を対象に、生命維持措置を施さなかった医療従事者を罰する内容だ。対象には、中絶措置後に生きたまま生まれるという非常にまれな事例も含まれるという。

最高裁の判断を受け、一度の選挙に伴い実施された中絶権に関する住民投票は、今回の中間選挙で過去最多となった。

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Presentational white space

現在、アメリカでは13州がほとんどの中絶を禁止している。厳しい制限を設けている州も多い。

それに対し、上記5州での住民投票によって、中絶へのアクセスについて数百万人に影響が出る。

さらに、アメリカ国民が中絶権の保障を支持するのか、あるいは「ロー対ウェイド」判決否定以降の過剰な禁止措置を支持するのか、見極める試金石にもなっている。

現時点では、少なくとも、プロ・チョイス側が大勝したと主張できるだろう。

ロイター通信の出口調査によると、有権者の4人に1人が投票の際の最優先課題に中絶問題を挙げた。ピュー研究所の調査では、アメリカ人の61%が、ほぼ全ての事例で中絶は合法であるべきだと回答している。

Kentucky abortion referendum

ヴァーモント、ミシガン、カリフォルニア、そしてケンタッキーの4州での結果にこれを加えれば、最高裁の判断以降、山のように中絶禁止の州法案を提出してきた中絶反対派にとっては大きな痛手となるだろう。

アメリカ最大の中絶阪大団体「Students for Life of America(アメリカの命のための学生)」のクリスタン・ホーキンス会長は、「住民投票はややこしい。有権者に、時には決定打となる特殊な言語を教えなくてはならない」と話す。

ホーキンス氏は引き続き、ケンタッキー州法の改正を求めていくと説明。中絶処置が実質的に受けられなくなったオクラホマ州の法律が、自分が「夢見る」法律だと語った。

プロ・チョイス派が勝利しても、最高裁の判断によって自動的に施行された中絶禁止は自動的に覆ることはない。

しかしこの投票結果が、州の中絶禁止法2件に対する裁判を有利にするだろう。

同州では15日にも、全米最大の生殖医療サービス提供者「家族計画(Planned Parenthood)」とアメリカ自由人権協会(ACLU)の弁護士らが法廷に臨む。

ACLUケンタッキーのアンバー・デューク会長は、「これは手続きの第一歩だ」と「話した

「来週には法廷に行く。これが戦い続けるための重要な局面だ」

中絶禁止を求める同様の住民投票がきっぱりと否決されたカンザス州のように、プロ・チョイスはこの戦いで優勢となっている。ケンタッキー州は成人の4分の3がキリスト教徒という保守派が根強い州で、全体の50%を占める福音派と10%を占めるカトリック教会が、中絶反対を訴える主戦力となっている。

同州の上院議員選では、中絶反対派のランド・ポール候補(共和党)が、民主党のチャールズ・ブッカー候補を押さえて2選目を果たした。

ケンタッキー州保健正義ネットワークのエリン・スミス氏は、「自分たちの上院議員がどういう人かを無視するのは難しいが、上院議員が私たち全員の声を代弁するわけではない」と話した。

「これは人の身体の話だ」

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