東芝再建、銀行団は融資慎重に検討鍵握る返済計画 - 産経ニュース

東芝の経営再建に向けて、優先交渉権を得ている国内投資ファンドの日本産業パートナーズ（ＪＩＰ）が買収案を提出した。ただ、ＪＩＰに対しメガバンクなど銀行団は融資を慎重に検討している。買収総額は２・２兆円程度とされ、銀行団の融資がまとまらない限り東芝の再建は前進しない。銀行団は「東芝を支える」という考えで一致しているものの、融資を確約できない背景には、返済計画への憂慮と、「現状維持」を軸としたＪＩＰ案への不満がある。

「一番気にしているのは返済計画。マーケットの先行きが不透明で見極めにもう少し時間がかかる」。融資の検討状況について、ある主要行幹部はこう語る。

銀行はリスクを取ってお金を貸し出す。東芝の将来の業績予想を基にはじき出した融資可能額は１兆円余り。残りの約１兆円について、ＪＩＰは十数社から出資の意向を取り付けたものの、必要額にはまだ届いていないもようだ。

ＪＩＰは東芝に対し、島田太郎社長ら現経営陣や事業体制を維持する案を示したとみられる。銀行団の中には、東芝の企業価値向上に向けた決め手に欠くこうした提案への不満もくすぶる。

「今の東芝でどういう成長戦略を出してくるのか。裏付けがないとお金は貸せない」。別の主要行幹部はこう述べ、ＪＩＰや東芝に対し、成長戦略を示すことを求めた。（米沢文）

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