中国の科学者、量子鍵配送で１００Ｍｂｐｓ実現世界記録更新 - AFPBB News

【3月17日 Xinhua News】中国科学技術大学の潘建偉（Pan Jianwei）院士（アカデミー会員）、徐飛虎（Xu Feihu）教授らはこのほど、量子暗号通信で毎秒100メガビット（Mbps）を超える暗号鍵配送速度を実現する量子鍵配送（QKD）システムを開発した。これまでの最高記録を1桁上回る速度で、量子暗号通信の将来的な大規模化につながる重要な意義を持つ。

　量子鍵配送は、量子力学の基本原理に基づいており、理論上は安全な秘匿通信を無条件に実現できる。量子暗号による秘匿通信の実用化には、鍵配信速度の向上が非常に重要な役割を果たす。国際学術界ではこれまで、10キロの標準光ファイバー伝送で毎秒10Mbps台が最高だった。鍵配信速度をより高めるには、システムの送信側と受信側、後処理など、幾つもの技術的課題を解消する必要がある。

　潘、徐両氏らの研究グループはこのほど、中国科学院上海マイクロシステム・情報技術研究所（SIMIT）、済南量子技術研究院、ハルビン工業大学などの研究者と共同で、集積フォトニックチップ上の高速かつ高忠実度の偏光状態変調技術を開発。SIMITの尤立星（You Lixing）氏のチームが新たに開発した8ピクセルの超電導ナノワイヤー単一光子検出器（SSPD）と組み合わせ、高計数率かつ高効率の単一光子検出を実現した。

　研究チームはこれらの技術的ブレークスルーに基づき、10キロの標準光ファイバー伝送で115・8Mbpsの鍵配送速度を達成。システムは50時間以上安定的に稼働した。

　研究成果は14日、国際学術誌「ネイチャーフォトニクス」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News

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