1年前の苦い記憶、雪辱期す日本の鍵を握るエースと4番 U18W杯 | バーチャル高校野球 | スポーツブル - バーチャル高校野球

2023年8月31日06時30分

高校日本代表のエースと4番として期待される大阪桐蔭の前田悠伍（左）と履正社の森田大翔

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　野球の第31回U18（18歳以下）ワールドカップ（W杯）に出場する高校日本代表が30日、日本から開催地の台湾に到着した。

　大会は31日に開幕、1次リーグ（L）は6チームずつが2組に分かれて総当たりで対戦し、上位3チームが決勝ラウンドに進む。B組の日本は9月1日の初戦でスペインと当たる。

　日本のこれまでの最高成績は2位が3回。昨年9月の第30回大会（米・フロリダ）は3位だった。前回大会に続き、チームを率いる馬淵史郎監督（高知・明徳義塾監督）のもと悲願の世界一をめざす。

　高校日本代表20人の平均身長は176・7センチ。決して大柄な選手が集まったわけではない。外野3人は、いずれも自校では1番打者だった。

　事前合宿で走塁やバントに時間を割いた。馬淵監督が「安打が出なくても1点を取る野球」にこだわるのは、1年前の苦い記憶があるからだ。

　浅野翔吾（香川・高松商、現プロ野球巨人）ら日本では強打者と呼ばれた選手を多く選んだが、海外の剛腕投手を打ちあぐねた。慣れない木製バットで普段のような飛距離が出ず、かえって大振りになる傾向が目立ったという。その経験から、今大会は小技を生かしたスモールベースボールに徹する。

　ただ、緻密（ちみつ）な野球をめざす一方、馬淵監督には「4番とエースがいないチームは弱い」との哲学がある。その役割を担う、大阪桐蔭の前田悠伍と履正社（大阪）の森田大翔（はると）に期待がかかる。

　前田は大阪大会決勝で履正社に敗れて最後の夏に甲子園には届かなかったものの、世代屈指の呼び声が高い左腕だ。大学日本代表との壮行試合に先発し、2回を3奪三振、無失点と状態がよく、1次Lの山場となる、前回王者・米国戦での先発が見込まれる。「気持ちで負けない。全力で投げたい」と前田。

　ロースコアの展開に持ち込むためにも、日本の強みである投手陣の踏ん張りは必須。10日間で最大9試合を行う過密日程のため、ほかに先発が見込まれる森煌誠（こうだい、徳島商）、東恩納蒼（ひがしおんなあおい、沖縄尚学）らから救援陣への継投機も鍵になる。

　攻撃の軸となる森田は、今夏の甲子園で2試合連続本塁打を放つなど通算34本塁打を誇る右のスラッガーだ。ここまでのすべての対外試合で4番に入っており、「長打で勢いづけたい」と意気込む。

　森田を中心に上位に並ぶ丸田湊斗（神奈川・慶応）、橋本航河（仙台育英）、下位の知花慎之助（沖縄尚学）、緒方漣（神奈川・横浜）らの巧打者がどこまで線になって、着実に得点を重ねられるか。W杯は7イニング制のため、特に先手が大事になる。

　高校日本代表は2004年の第21回大会以降、今回が8回目の出場となる。（台北=室田賢）

　■日本代表の日程と対戦相手

【1次リーグ（L）B組】

9月1日　スペイン

　　2日　パナマ

　　3日　米国

　　4日　ベネズエラ

　　5日　オランダ

※5試合とも開始は午後6時半（日本時間同7時半）

【決勝ラウンド】7～9日

【3位決定戦・決勝】10日

　■高校日本代表

　高校日本代表のメンバー。数字は背番号、★は投手が左投げ、野手が左打ち。

▽投手

11★武田陸玖（山形中央）

15高橋煌稀（こうき）（仙台育英）

13木村優人（茨城・霞ケ浦）

16安田虎汰郎（東京・日大三）

17★矢野海翔（岐阜・大垣日大）

10中山優月（奈良・智弁学園）

18★前田悠伍（大阪桐蔭）

19森煌誠（こうだい）（徳島商）

14東恩納（ひがしおんな）蒼（あおい）（沖縄尚学）

▽捕手

12★尾形樹人（みきと）（仙台育英）

27新妻（にいつま）恭介（静岡・浜松開誠館）

22★寺地隆成（高知・明徳義塾）

▽内野手

4山田脩也（仙台育英）

7高中一樹（福島・聖光学院）

2緒方漣（れん）（横浜）

5森田大翔（はると）（大阪・履正社）

1小林隼翔（はやか）（広島・広陵）

▽外野手

23★橋本航河（仙台育英）

26★丸田湊斗（慶応）

8知花慎之助（沖縄尚学）

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