新型コロナウイルスの影響で、苦境に立たされている百貨店や商業施設だが、新たな取り組みが注目されている。お客さんに提供するのは、「トキメキ」。一体、どんな戦略があるのだろうか？
ルクア大阪に設置された「妄想ショップ」。期間限定で、様々なイベントが行われるスペースに「キャッチコピー相談所」という催しが開催されていた。
訪れた人の隠れた魅力を引き出し、キャッチコピーを考えてくれる。お値段は、一回１０００円。
今年入社した新人記者が体験してみた。
記者「よろしくお願いします」「僕、新入社員ということで、社内の皆さんに覚えてもらえるようなキャチコピーを付けていただきたいなと」
相談員「いいですね。皆さん思いというか。そこは確かに必要ですよね」
相談員「入ってまだ半年ですよね。難しいですか仕事は？慣れないですか」
記者「まだ慣れないことが多くて、先輩方にくらべると、甘さがあるのかなと」
相談員「めっちゃまっすぐですね」
相談員「僕がお話聞く中での印象は、太陽みたいなすごく明るいイメージがあったんですよ」
つけてもらったキャッチコピーは「まだ雲を知らない太陽」。
この企画を手がけたのは、ルクア大阪のトキメキ事業部。モノを売るだけでなく、「将来に向けた新たな事業を作る」。その糸口が「トキメキ」にあるのではと、この企画を始めたという。
「私たちはモノ商売だったので、新作のワンピースが欲しいのか、バックが欲しいのか、なにが欲しいですかとインスタグラムで聞いたら、ほめられたいという答えが返ってきて、期待していた答えとは全然違ったんですけど、すごく共感してしまって、そうだよなーって。商業施設も何かを提案するだけじゃなくて、良き友人のように必要な時に必要なだけサポートできる、そんな場所になったらいいなと」
これまでに、お坊さんに悩みを聞いてもらうイベントなども開催してきた。
キャッチコピー相談所に訪れた人は、３日間で約１２０人！ＳＮＳで、イベントを知った人が、予約を取って来店していた。
来店客「好きなものは好き。だから、あなたも自由に生きて緻密で大胆な設計、というのを付けていただきました」「前向きというか、自分にこういう言葉を付けてもらったので、ちょっと自信が」
来店客「隅々まで光を降り注ぐ太陽でした」「自分自身を研究したいなというか、どんな風に周りに見られるのかなというのが知りたくて」
ルクア大阪の去年の売り上げは、８３２億円。立地の良さと２０代・３０代の女性客が好調を支えてきた。しかし、以前から「モノを売る」だけではなく、新たな価値の必要性を感じ始めていたという。
「危機感はコロナに限らず、ずっとありました。コロナがそれを加速させたような形なので、もっともっと魅力のある場所にならないとなと、ずっと思っていますね」
都市部の商業施設や百貨店も、生き残りには、新たな戦略が不可欠だと専門家は指摘する。
専門家「コロナが加速したインターネット消費の影響を、実際の都心の店舗なんかは大きく受けることになります」「モノを買うだけの場所ではなくて、そこに過ごすこと自体にすごく価値があるという施設開発ということも、心がけていかなければいけないんじゃないかなと」
１１月にオープン予定の心斎橋パルコ。９年ぶりに大阪に戻ってくる。
パルコでもモノを売るだけでなく、新たな価値を生み出そうとしている。アーティストやクリエイターたちが集まり、情報交換をしながら、新しい作品を発信することができるスペースを設置する予定。
お客さんに、足を運んでもらうために、必要な戦略とはなんなのか。将来の商業施設の姿を探る、新たな取り組みが始まっている。
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October 02, 2020 at 05:28PM
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