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各党が注視、Z世代票の行方 鍵は「共感」と「並走」 - 産経ニュース

模擬投票する立命館宇治高校の生徒。各党が「Z世代」の投票行動を重視している=京都府宇治市(渡辺恭晃撮影)

7月10日投開票の参院選で、「Z世代」と呼ばれる若者たちの投票行動が注目されている。近年の国政選挙で若年層の投票率は低調だが、「新型コロナウイルス禍で政治への関心は高まっている」との指摘も。各党にとっては、ゆくゆく強固な支持層に〝成長〟する可能性があり、交流サイト(SNS)などを活用した発信を強化している。

「政治家のプライベートをSNSで垣間見ると、政治を身近に感じる」

大阪市立大4年の西野元晴さん(21)はこう話す。印象に残っている投稿は、ある議員が国会議事堂内で食事している様子を撮った写真。「人間味があってよかった」。政治への関心も高まり、参院選では若者向けの政策を訴える候補者に投票するという。

選挙権年齢は平成28年参院選で18歳以上に引き下げられた。直近の国政選挙を見ると、18~19歳の投票率は令和3年衆院選で43・21%、元年参院選では32・28%にとどまる。20~24歳はさらに低く、全体の投票率を最大20ポイント程度下回る。

とはいえ、Z世代にあたる18~24歳の有権者約816万人(昨年10月時点)は少ない数ではなく、各党は取り込みに躍起だ。

主戦場は、やはりインターネット。ある党はネット上の3次元空間「メタバース」で演説会を開き、幹部がアバター(分身)を通じて若者と交流。別の党は動画投稿サイト「ユーチューブ」で、ネット掲示板開設者の西村博之氏と若者向け政策を議論し、動画は26万回以上再生された。

複数の党が字幕を使った30~60秒程度の「ショート動画」をユーチューブに連投し、教育無償化などの支援策や国会質問の場面をアピールしている。ある党関係者は「Z世代は短時間で要点を知りたい。動画は電車内でもサクッと見られる構成にしている」と話す。

与野党双方がオンライン懇談などを通じて学生らの不満や意見を聞き取り、参院選公約や政権への提言につなげている。ある野党は女子高生を公約作りに参画させた。与党関係者は「若者の政治に対する意識は低くない。自分たちの声が政治に反映されると実感してもらうことが重要だ」と強調する。

実際のZ世代の意識は、どうか。マーケティング機関「シブヤ109ラボ」(東京、長田(おさだ)麻衣所長)は4月に18~24歳の大学生や専門学校生らにアンケートを行い、男女計400人から回答を得た。

今後の選挙で「必ず投票すると思う」が42・8%、「投票したいがまだわからない」が31・3%で、7割以上が投票への意欲を示した。一方、投票に行きにくい理由(複数回答)は「投票したいと思える候補者がいない」(34・3%)、「投票しても社会は変わらない」(20・3%)が多く、政治家が若者のニーズに十分に応えられていない一端が浮かび上がった。

情報収集方法(複数回答)はテレビやニュースサイト・アプリに続き、ツイッターが37・3%。ただ収集に際し「発信源を確認する」「偏った情報にならないようにさまざまな意見を確認する」との回答も多く、慎重な面もみられる。

SNSの活用は政治家にとってメリットだけではない。関西大3年の糸井萌(もえ)さん(21)は「政治家のツイッターを見ると結果報告みたいな残念な投稿が多い。差別的な発言をしている人は論外」と手厳しい。

実際、アンケートでは政治家に対するイメージ(同)の上位に、「不正がある」45・5%▽「対応が遅い」32・3%▽「足の引っ張り合いをしている」28・8%-が並んだ。理想のイメージ(同)は「誠実」が48・3%でトップ。自由回答で「若者や少数派を含む国民に寄り添ってほしい」との意見もあったという。

長田さんは「政治家のSNSは言いたいことしか言わない一方通行の内容が多く、信用できない部分があるのではないか」と分析。「Z世代はプロセスを大事にしていて、共感や並走の感覚が重要。一緒に政治を動かしていると感じられるコミュニケーションを目指すべきだ」と話した。(吉国在、尾崎豪一)

Z世代

1990年代後半から2010年頃までに生まれた10~20代を指す。米国で使われた「ジェネレーションZ」が由来とされ、国連が「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を目指す30年に社会の中核をなす。幼少期からスマートフォンなどのデジタル機器が身近にある「デジタルネーティブ」ともいわれる。

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