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問題解決の鍵は、正しい数字に落とし込めるか〜「数学力」を伸ばす思考術 - Lifehacker JAPAN

数字が苦手な人のための いまさら聞けない「数字の読み方」超基本』(久保憂希也 著、アスコム)の著者は、国税調査官から東証一部上場企業の経営企画部門(財務担当)に転身し、コンサルタントを経て経営者になったという人物。そのような経歴のイメージから、「数字に強そうですね」といわれることが多いそうです。

しかし、考えてみれば、「数字に強い」とはよくわからない表現です。簿記を知っているとか、計算が速いとかであればわかりますが、“数字に強い”とはいったい何を意味しているのでしょうか?

本書では数字に強いことを「数字力」という言葉で表現しています。じつはこの「数字力」こそ、いま切実にビジネスの現場で求められている能力なのです。

では、数字力とは何なのか。

数字力とは、数字を使って意思決定への筋道を立てる力のことです。(「はじめにーー仕事に必要なたった1つの考え方」より)

これは、どんな仕事をするうえでも最も本質的で重要な能力だそう。仕事においてつねに要求されるなんらかの意思決定に対し、数字を自らの判断材料にしたり、他人に根拠や可能性を示したりできること、それが重要だということです。

たとえば、何か新しいビジネスのアイデアがひらめいたとします。「ぜひ、このアイデアを実現したい」と思ったときに必要になるのは、そのアイデアがなぜ「いける」のか、自分にとって目に見える形で確認することです。

さらに、そのうえで客観性のある材料によって、意思決定権者や利害関係者を説得するプロセスが必要になってきます。(「はじめにーー仕事に必要なたった1つの考え方」より)

たしかに、相手を説得したいとき、「私はこのアイデアはいけると思います」と発言したところで納得してもらうことはできません。そんなときこそ、市場規模や成功する根拠について説得力のある数字を見つけ出し、簡単に説明することが重要な意味を持つのです。

こうした考え方に基づく本書のなかから、きょうは第1章「仕事のすべてを数字で考える」内のSTEP4「仕事を数字に落とし込む」に注目してみたいと思います。

どんな仕事も数字にできる

会社全体の問題を数字でとらえることは、充分に可能かもしれません。とはいえ、部門によって違いがあるのも事実。たとえば営業部門であれば当然ながら数字がありますが、管理部門(経理や人事、総務など)の仕事を数字でとらえるのは難しいことでもあるからです。

しかし、著者はそんな考え方に反論しています。営業部門ほど単純でないのは事実ではあるものの、管理部門の仕事も数字で測れるのだと。具体的には、ある仕事をするのにかかった時間、コスト、人数などを計算すればいいということです。

コンサルタントをしている私の友人に、本1冊を書きあげるのにかかった時間を記録している人がいます。

「最初のころは1冊書くのに160時間かかっていたが、いまでは書くスピードが倍になり、1冊80時間で書けるようになった」と言っていました。本は売上部数という数字で成果を把握することができますが、作業に費やした時間も数字でつかめます。経験を積むことで、彼の執筆スピードが上がっていったわけです。

書くスピードが倍になったというのは、記録があればこそ把握できることですし、把握できるからこそ意識的に力をつけていくことができます。(「はじめにーー仕事に必要なたった1つの考え方」より)

また、仕事を数字にして把握することは、モチベーションの管理にも役立つそう。たとえば会社の経理担当者が、月次決算の資料を作成するスピードが倍になったと気づいたとしたら、それが業務改善の基準になるわけです。

人間は、具体的な数字が見えていると、「あともう少しがんばろう」「次はこの記録を超えよう」と思うようになるもの。つまりはそこが重要なポイントになるのです。(34ページより)

「がんばりました」は評価できない

どんな部署に配属しているのであれ、ビジネスパーソンには説明責任が要求されます。キャリアを評価されたいのであれば、仕事の成果を自分で説明できなければならないのです。さらにいえば、その説明に数字が入っていれば、確実な評価につながっていくことになるでしょう。

なぜなら数字は、誰が見ても客観的な事実だから。「がんばった」というのはその人の主観にすぎないので、どのくらい目標に近づいたのかを測る判断材料にはなり得ません。

だからこそ、個人が仕事を進めていくにあたっても、目標と現実をそれぞれ数字で表すことが大切。そうすることが、問題解決の第一歩になっていくわけです。

売上などの数字で表せない仕事であれば、まず自分に求められているのはどの程度の時間をかけてどの程度の量をこなすことなのかを把握します。そして、その目標に対して自分の働きぶりはどの程度なのか、数字化する必要があります。(36ページより)

ただし問題解決という観点から見ると、その数字はなんでもいいわけではないようです。「今月は60時間も残業した」「営業フロアに1日1回足を運んだ」というようなことは、自分で自分の「がんばり」を把握することには役立つかもしれません。しかし客観的な評価において重要なのは、「目標に近づいているかどうか」の達成度だからです。

つまり、もし上司に残業時間の多さが評価されるのであれば、設定されている「目標」が間違っているということ。そもそも、労働時間が多いことが「いいこと」なのではく、会社の目的を達成するため、「ちょうどよい目標」を設定することこそが、管理職の大切な役割のひとつなのですから。

しかし、会社全体としては目標となる数字があるのに、各部署に落とし込む際には「がんばろう」というかけ声に変わってしまうというというパターンもあるでしょう。「600社に販売、市場シェア30%を達成するために、われわれの部署もがんばろう」というように。

でも、それでは「なにをどうがんばればいいのか」がよくわかりません。

したがって、「600社に販売、市場シェア30%を達成するために、われわれの部署は150社への販売を目指す。ということは、1人あたり15社だ。売上ベースでは◯◯円、予算は××円…」と、全体の目標を分解して定量的に示すべき。そうすれば各スタッフは、「なにをどう工夫すれば目標に近づけるのか」を具体的に考えられるわけです。(36ページより)

狙いが少しずれただけで“売れない状況”に陥ってしまう現代においては、精度の高い意思決定をテンポよくできる人材が求められていると著者は主張しています。だからこそ、数字力を持ち、数字を基にした判断で意思決定をする人になるべきなのでしょう。

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Source: アスコム

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