中国・李強首相が初会見「改革開放は鍵」 3選の習近平氏演説「国家 ... - 東京新聞

13日、北京の人民大会堂で、記者会見をする李強首相＝AP

　【北京＝石井宏樹】中国の習近平（しゅうきんぺい）国家主席（69）は13日、全国人民代表大会（全人代）で演説し、「安全は発展の基礎だ。国家を守る安全能力を高めていく」と述べた。米国との対立や国内での政権批判などを念頭に、共産党政権の維持と安定を最優先にして政権運営を進める姿勢を示した。全人代は12日に副首相4人や閣僚など政府幹部を選出し、13日に閉幕した。

　10日に3期目の国家主席に選出された習氏は演説で「人民の信任を最大の動力とし、忠実に職責を果たす」と意気込みを語った。

　また習氏は自らが提唱する「グローバル安全保障イニシアチブ」の推進に意欲を示し、「世界平和にプラスの作用を及ぼし、わが国の発展にとって良好な国際環境をつくる」と語った。10日にはサウジアラビアとイランを仲介して国交回復を実現させており、今後も国際秩序の形成に積極的に関与するとみられる。

　一方、台湾問題では「積極的に中台関係の平和と発展を促す」とした上で、台湾への関与を強める米国などに「外部勢力の干渉や台湾独立活動には強く反対する」とくぎを刺した。武力行使には言及せず、昨年の党大会に比べ穏当だった。

　閉幕後には李強（りきょう）新首相（63）が初めて記者会見。今年の経済成長率を5％前後とした目標の達成は「努力が必要」との認識を示した。一方で「改革開放は中国の命運を決める鍵だ」として対外開放を進める姿勢を強調した。米国には「協力するべきだ」と呼びかけた。