2016年9月に開かれたジュニア車いすスポーツ教室。障害者スポーツの裾野を広げる努力が続いている=東京都北区の都障害者総合スポーツセンター体育館で(都障害者スポーツ協会提供) |
障害者スポーツセンターという施設があることをご存じだろうか。
十六年前、東京都北区にある施設を取材で初めて訪れた際、体育館、プール、陸上トラックはもとより、テニスコートや洋弓場、さらには宿泊所まで完備した充実ぶりに驚かされた。障害者専用・優先スポーツ施設は全国に百カ所以上あり、年間利用者数は北区の施設だけでも約十三万人を超える。
「リハビリ後の健康増進、社会復帰や仲間づくりなど、障害のある方がスポーツをするための入り口としていただければと、さまざまなプログラムを用意しています」
二つの障害者スポーツセンターを主管する、東京都障害者スポーツ協会会長の白石弥生子(やえこ)さんは話す。医師や理学療法士にどんなスポーツをしたらいいか相談できたり、指導者がついて初心者が気軽に参加できる教室があったりと、確かにその入り口は広い。
「でも、スポーツの効用や施設があることを理解されていても、外へ一歩踏み出すことに抵抗を感じている方がまだ多いんです。人に迷惑をかけてはいけないというご本人の意識が根強くあると聞きました。障害のある方の約半数がいまだスポーツをしたことがないというデータはとてもショックでした」
一年間に一度もスポーツをしない障害者の割合は47%(東京都調べ)。障害がない人の16・3%と比べると、いかに障害者がスポーツとまだ縁遠いかがわかる。スポーツをしたいができずにいる障害者は17・6%もいる。
人に迷惑をかけてはいけない、とよくいわれる。けれども、障害者が生きる楽しみを外に求めることに、本人の勇気だけでなく、社会の寛容さもいま以上に必要なのではないだろうか。
「パラリンピックで世界中から障害者をお迎えすることが、社会全体で障害者に対する理解をより深める契機になるはずです。それが障害のある方が遠慮せずにスポーツを楽しめることにつながったらうれしいです」
同協会はパラリンピック東京大会に向けて、東京都と共催で東京にゆかりのある障害者スポーツ選手の発掘・育成・強化事業を五年前に始めた。その事業に参加した選手の中から、複数名が東京大会への出場が見込まれている。
「当協会事業に参加した選手から東京大会のメダリストが現れたら、障害者スポーツというピラミッドの頂点がより高くなります。高いピラミッドの裾野は広くなるので、スポーツをやろうという意識を持つ方が増え、センターの利用者も増えてくれればと願っています」
障害者スポーツセンターという入り口。そこからは盛大なパラリンピック、ささやかな生きがいといった、利用者それぞれの未来の広がりが見える。 (作家・平山譲)
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February 29, 2020 at 05:59AM
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パラリンピックがやってくる 平山譲> (7)未来を広げる「入り口」:首都圏(TOKYO Web) - 東京新聞
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