最近、SIMフリースマートフォンに搭載されることが多くなった2枚のSIMが入るDSDS(Dual SIM Dual Standby)機能。初期に出てきたモデルは4G+3Gまたは4G+2Gという組み合わせで、4G通信は片側のSIMでしか利用できませんでしたが、今ではほぼすべてのDSDSスマートフォンが4G+4Gのデュアル4Gとなっています。
2020年は5Gサービスがようやく始まりましたが、その5GでもデュアルSIM対応のスマートフォンが出てきています。サムスンのGalaxyやファーウェイなどの最新5Gスマートフォンは海外ですでにDSDSモデルとなっていますが、5Gと4Gの組み合わせで片側でしか5G通信を利用できませんが、すでに5G+5GのデュアルSIM対応スマートフォンが販売されています。
2020年6月末時点で5GのSIMのデュアル待ち受けに対応しているスマートフォンは、メディアテックのチップセット「Dimensity 1000+」または「Dimensity 820」を搭載しているモデル。Vivoの「iQOO Z1」(1000+搭載)とシャオミの「Redmi 10X 5G」「Redmi 10X Pro 5G」(820搭載)が市販されています。
なお、Redmi 10X 5G / 10X Pro 5Gは現時点では5G+4Gのデュアルで、5G+5Gへはファームウェアアップデートで対応予定です。
iQOO Z1を使って筆者の居住する香港で5GのデュアルSIM環境を試してみました。香港では4キャリア全社が5Gサービスを行っています。その中から筆者が契約している中国移動香港とスマートーンの2社の5G SIMを利用。なお両者の5G通信速度は実際に香港の街中で使ってみると下り300Mbpsから600Mbps程度でした。
両キャリアとも5Gのカバレッジは比較的広く、繁華街や住宅地まで広がっています。しかし2社のどちらも電波感度がよいといえる場所は限られていました。今回は香港の繁華街の1つ、銅鑼湾(コーズウェイベイ)でテスト。香港そごうデパートに近い場所です。待ち受け画面のアンテナピクト横には「5G」「5G」と5G表記が2つ並びました。
どちらのキャリアのSIMをデータ通信に使うかは設定画面から切り替え可能です。このあたりは4GのデュアルSIMスマートフォンと変わりません。なお、iQOO Z1ではSIMそれぞれに名前を付けられますが、SIMを挿すと名前が自動で設定されます。スマートーンのSIM(SIMスロット1)は「SIM1」とデフォルトのまま。中国移動香港のSIM(SIMスロット2)は自動的にCMCCという名前になっています(CMCCは親会社で中国大陸でサービスしている中国移動の略称)。
まずはスマートーンでテスト。下りは313Mbps、上りは70Mbpsとなりました。比較のため4Gに切り替えると下り32.2Mpbs、上り18.8Mbps。数回行いましたがおおむねこの数値前後です。
次に中国移動香港に切り替えます。下りは351Mbps、上りは71.7Mbps。4Gでは下り19.6Mps、上り22.5Mpbsです。両者とも5Gの速度は4Gの10から20倍程度出ているわけです。
iQOO Z1で2キャリアのデータ通信の切り替えは一瞬で、設定画面からキャリアを変更すると一旦シグナルが消えますが、すぐに再接続されます。つまり片側が4Gになっていたり、あるいは5Gでも感度が悪いと思った時は即座にもう片方の5GのSIMに切り替えができるわけです。
ではスマートフォンの5GデュアルSIM対応にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
日本ではまだ5Gの使える場所が少ないこともあり、5Gを実生活で利用する状況にはなっていません。そのため「4Gで十分」と考えている人も多いでしょう。筆者は香港で5Gを常に使う生活に慣れてしまい、もはや4Gに戻ろうとは思えません。
5Gの特性は「10Gbpsの通信速度」「1000億規模の接続数」「1ミリ秒の超低遅延」とファーウェイは表しています。この中で一般消費者がメリットとして感じられるのは高速通信です。
すでに多くの人が、音楽や動画をストリーミングサービスを使って利用しているでしょう。3G時代は音楽をオンラインで購入してスマートフォンにダウンロードするものでしたが、4G時代ではストリーミングで聴くことが当たり前になっています。
そして、動画視聴も4GではYouTubeやNetflixなどのストリーミングサービスの利用が当たり前になりました。しかし4Gでは通信環境によっては動画再生を開始する時や見たいシーンを先送りする際に若干待たされます。もし、電車の中ですべての乗客がYouTubeを視聴した場合、回線容量が追いつかず低画質での視聴を強いられることでしょう。
5Gでは通信回線が高速になり、遅延時間が大幅に減ることでレスポンスもよくなります。YouTubeを見る時に再生をタップすれば即座に再生が始まり、先を見たければ動画下の時間軸のバーを指先で左右にスワイプすると、プレビュー画面を即座に表示したまま早送りや巻き戻しができます。あたかも動画がスマートフォンに保存されているかのように、YouTubeを利用できるわけです。
また、今は誰もが動画配信を行ったり、YouTubeに動画をアップロードする時代になりました。4Gでは回線速度が遅いために配信では画質が落ちてしまうことがありますし、アップロードには時間がかかります。高速なWi-Fi環境がないと動画を送ることはまだ難しい状況です。しかしこれも5Gならばより快適に動画配信やアップロードが可能になります。
ですが5Gのエリアはまだ狭いです。キャリアによってカバーしているエリアが被っておらず、「A駅はXキャリア、B駅はYキャリアしか5Gが使えない」ということもあるわけです。
5G+4GのデュアルSIMスマートフォンでは、自分がいまいる環境が「Xキャリア5G、Yキャリア4G」なのか、「XキャリアもYキャリアもどちらも5Gなのか」がわかりません。しかし5Gデュアル対応のスマートフォンなら、どちらのキャリアも5Gかどうかがわかります。
仕事でオンラインイベントや会議に参加する場合など、高速な通信環境を必要とするシーンはこれから増えていくでしょう。5GデュアルSIMスマートフォンならはリモート環境でもより確実に5Gを使うことができるわけです。5Gのエリアが徐々に広がっていけば5Gの利用も普通のものになっていくでしょう。そうなると非5Gエリアで4Gを使うことがストレスになります。
5GデュアルSIMスマートフォンは、キャリアの5Gカバレッジの狭さを2社の5G SIMで補うことができるわけです。それを必要とするユーザーは少ないかもしれませんが、常に高速環境が必要な業務用途などに有用ではないでしょうか。
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