講演会は、同県かすみがうら市内に野球部の練習施設がある縁で、同市商工会が主催した。
小菅さんは、昨夏の甲子園について「非常に優れていたチーム。出会った時から何かやるなと感じた。昨年はほとんどサインを出していない」と説明。必要なサインは生徒が出し、自分の動作はダミーだったと明かした。集中打による逆転勝利が続いたのは、選手を信頼して任せた結果で、「手堅く1点、ではミラクルは起こらない。急激に甲子園で伸びる、成長する。これが野球、指導者の醍醐味(だいごみ)」と振り返った。
指導方針は、毎年選手が入れ替わるチームを比較しないことを心がけるという。選手とのコミュニケーションで大事なのは「会話のキャッチボールと、観察」。指導歴30年の経験を踏まえ、現在のモットーは完璧を求めない「65点主義」。「相手が欲する時に言葉をかける。タイミングを考え、時に言わないことも大事」と、選手が自主的に考えることを求める。
選手との接し方の端々には、1984年夏に全国制覇した取手二高の選手時代から指導を受けた「木内イズム」がにじむ。「木内さんは野球の話ばかりで、いつも茨城弁のあの調子。野球は運、縁、センスと言っていた」
今後の目標については、「全国制覇。全員野球で1人も取りこぼさず、世界一チームを愛し、チームを知っている監督になりたい。(全てを)まねることはできないが、まだまだ木内さんの背中を追いかけないといけない」と語った。
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