科学技術の発展によって復興を遂げた戦後の日本。それが今では「凋落」していると言われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、日本の未来を憂いながら、復活の可能性を探っています。
日本は決して「低開発国」ではない
戦後、焦土と化した日本が目覚ましい復興を遂げた根底に、科学技術の発展があったことは疑い得ない事実でしょう。私たちの生活を劇的に変えるのみならず、国の未来をも左右する力を持っているのが科学技術です。
それが昨今、様々な面で凋落していると言われています。果たして本当にそうなのか、私たちの未来は暗澹たるものなのか──。2019年にノーベル賞を受賞した吉野彰氏と、それを技術で支える日本電子会長・栗原権右衛門氏に熱論いただいた『致知』2024年2月号について綴ります。
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日本はこれからどうなってしまうのか……。
約1年半前、『致知』2022年7月号で「これでいいのか」という特集を組むに際し、月尾嘉男先生(東京大学名誉教授)から伺ったお話に言葉を失ったのが、本対談の一つの原点だったように思います。
詳細は割愛しますが、月尾先生が示した国際比較データでは、科学技術分野の論文数、博士課程進学者、研究開発費などで軒並み日本の立ち位置が沈下していました。(同記事はこちら)
それらのデータを目の当たりにし、どうすれば日本の未来は変わるのかという問いが頭の隅にこびりつき、1年が経ちました。そんな折、偶然にも2023年9月号にて「時代を拓く」という特集を組むにあたり、日本電子会長・栗原権右衛門氏を取材する機会に恵まれたのです。
日本電子、というと聞き慣れない方が多いかもしれません。しかし同社は敗戦から僅か4年後の1949年、電子顕微鏡の開発を手掛ける研究所として立ち上げられ、現在は同分野で世界トップシェアを誇る有力企業です。
電子顕微鏡以外にも、研究開発に欠かせない高水準の理科学・分析機器を世界中の大学や研究機関、企業に提供しており、ユーザーからノーベル賞受賞者を多数輩出。最近では「ノーベル賞 陰の立役者」とも呼ばれています。
栗原会長は、長く業績低迷に喘いでいた同社を、リーマン・ショックの渦中から立て直し、現在の地位を盤石にしたまさに立役者です。そのお話は日本企業が全世界の科学技術発展に貢献しているという点もさることながら、今後日本の科学技術が発展するための鍵を指し示すもので、大変な啓発を受けました。
そしてその際、同社が製品を提供している錚々たる科学者の中に名前があったのが吉野彰博士でした。いまやスマホやノートパソコンなどに欠かせなくなっているリチウムイオン電池を開発し、2019年にノーベル化学賞を受賞された吉野博士。
このたび「立志立国」というテーマを立て、相応しい対談者を考えた結果、それを力強く支える日本企業である栗原会長との対談が決まりました。
世界的研究者と先端企業トップの対話に興味は尽きません。
12月1日、都内ホテルで本対談は行われました。
お二人が会場に揃うやいなや……(『致知出版社の「人間力メルマガ」』2024年1月23日号より)
image by: Shutterstock.com
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