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台湾総統選 鍵握る「若者票」 与党、支持離れ阻止に懸命 - 産経ニュース

2023年12月30日、台北・西門町で、若者に投票などを呼びかける台湾民衆党のメンバー(桑村朋撮影)

【台北=桑村朋】13日に投開票される台湾の総統選では、若者票が勝敗のカギを握るとみられている。2020年の前回選は香港の反中デモの影響で、中国に厳しい姿勢を示す蔡英文総統が若者の支持を集めて再選を決めたが今回、多くの若者票が与党・民主進歩党から「既存政治打倒」を掲げる野党に流れている。

「政治に期待することを書いてください」。12月30日、台湾の原宿と呼ばれる台北・西門町で、第2野党、台湾民衆党が呼び掛けた。20~30代の若者は次々と足を止め、紙に政治に託したいことを書いていた。

「緑と青(民進党と最大野党、中国国民党)の古い対決に飽きた。新風を求めたい」。広告会社勤務の男性(30)はそう語る。前回は民進党に投票したが今回は民衆党支持だ。「対中政策は大事だが二大政党はそればかり。政治を変えるときだ」と訴えた。こうした声は台湾の多くの若者から聞かれるリアルな本音だ。民衆党は若者への支持を確実に広げている。

第2野党、若者を吸収

選挙戦は民進党が支持率でリードし、最大野党の国民党が追う展開。両党はすでに支持基盤を固めており、特定の支持政党を持たない若者層の動向が重要度を増した。民衆党候補、柯文哲前台北市長は、動画投稿サイト「ユーチューブ」や交流サイト(SNS)を武器に、二大政党に飽きた若者を取り込む。20代の支持率は、50%超とする世論調査の結果もある。

20~30代は生まれた頃から自然と台湾人意識を持つ「天然台」世代と呼ばれる。「対中」論争は重視すべきテーマではないと考える人もいる。台湾では近年、住宅や物価高騰が低所得の若者を直撃。経済成長の恩恵が行き届かず、民進党政権が諸問題を解決できていないと批判もくすぶる。大手テレビ局、TVBSは若者の暮らしの問題は「台湾海峡よりもはるかに関心が高く、総統選の攻防の焦点となっている」と指摘する。

2大政党「変化」強調

民進党は、前回選の勝利を支えた若者票の流出に危機感を強める。蔡英文政権1期目に副総統を務めた陳建仁行政院長(首相に相当)は3日、メディアの取材に若者の「民進党離れ」を認めた。「最も重要なのは若者の支持だが、民進党が過去に何を達成したかが忘れられている」と語った。

党は女性の副総統候補、蕭美琴前駐米代表(大使)が各地で若者向け対話を行い、イメージアップを図る。蕭氏はソフトでしたたかな「戦猫外交」を掲げる。党は3日には蔡総統と候補者、頼清徳副総統が海沿いをドライブしながら仕事ぶりを振り返る動画を公表。新鮮なイメージが受けて、再生回数は異例の1000万回を突破した。若者票の取返しにラストスパートをかける。

国民党も「古い政党」のイメージ払拭に躍起だ。口下手とされる総統選候補、侯友宜新北市長に代わり、テレビ司会者として人気の副総統候補、趙少康氏が若者と積極的に対話する。「侯氏も私も従来の典型的な国民党員ではない」と訴える。

趙氏は5日には、高雄科技大学で学生との討論会に参加。党の支持率の低さを問われ、「30年前、あなたより早くから党に不満を抱いている」と理解を示した。「党には改革が必要。刷新するため選挙に勝たなければいけない」と強調した。

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